スクエアプッッシャー率いる超絶技巧バンド、来日ライヴも決定!

 「スクエアプッシャーの曲から選りすぐったものなんだけど、このバンドで演奏するために手を加えて作り直したんだ」、「『Hard Normal Daddy』や他の初期作には、4~5人組のバンドがすごくタイトにやってる時の状況からインスピレーションを得たものがある。だからそれを試してみるのも楽しいんじゃないかと思ったんだよ」と語るスクエアプッシャー。近年はピュアなエレクトロニック・ミュージックにフォーカスしていたが、フィジカルで偶発的なエネルギーが渦巻くバンド・サウンドとしてデビューアルバムを発表した。

SHOBALEADER ONE Elektrac Warp/BEAT(2017)

  メンバーはスクエアプッシャー(ベース)、アーグ・ニューション(ギター)、ストローブ・ナザード(キーボード)、カンパニー・レイザー(ドラム)と1人減り4人編成に。ショバリーダー・ワンと言えば、ヴォコーダーによる歌を乗せたメロウなAOR/ポップスを想像するが、「その期待は破滅に終わるわけさ」(アーグ・ニューション)、「彼(スクエアプッシャー)のリスナー達には、期待を捨てるようにって働き掛けようとしてきたんだ」(カンパニー・レイザー)と2人が語るように、あの時の姿は影を潜め、エネルギッシュな演奏に変貌を遂げている。今作では、スクエアプッシャーのある時は流麗に、またある時は電光石火のごときプレイが圧倒的な熱量で収録され、本人もご満悦だろうが、聴いてる側にも多量なカタルシスをもたらしてくれる程、弾き倒しているのだ。《Coopers World》や《Squarepusher Theme》など代表曲はイントロが流れるだけで脈拍が上がり、バンドらしい音の厚みとグルーヴは只々格好良い。また《E8 Boogie》でのスリリングなベース、怒涛の高速ジャズ・ファンクへと昇華した《Don't Go Plastic》も素晴らしく、全編がハイライトと言い切れる内容で、CD2枚組があっという間に終了だ。個人的には原曲の痙攣のごときビートからスローなテンポまでを、タイトに叩き出すドラマーにも拍手を送りたい。

 ちなみに発言はオフィシャル・インタヴューからのものであるが、ステージ衣装について「これは俺達が家で着ている普段着だよ。ブランド戦略を実践してるわけじゃない」やスクエアプッシャーとの関係を「俺達は何千年も前からの知り合いなんだよ」(共にカンパニー・レイザー)等々、何度読み返しても頭の中が「?」になるだけ。そのため引用した上記発言の真意も信憑性も定かではない。悪しからず。そもそもインタヴュー自体がスクエアプッシャーの一人芝居の様相で…。そんなお遊びも彼らしいが、演奏の方は本物なので心して聴いてほしい!

 


LIVE INFO

東名阪ツアー決定!
○4/12(水)会場:渋谷 O-EAST(SOLD OUT)
○4/13(木)会場:名古屋CLUB QUATTRO
○4/14(金)会場:梅田CLUB QUATTRO
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