時代の移り変わりと共に世界は大きく変貌を遂げている一方で、人種差別、貧困、紛争等により苦しんでいる人々が後を絶たない。と同時に、それらの問題に立ち向かった人がいる事も忘れてはならない。『ショコラ』ことラファエル・パディーヤもその一人。人種差別を受けながら、フランスで初の黒人芸人として当時活躍していた。だが、いつしか彼の名は忘れ去られてしまった。この1冊は数少ない資料の中からショコラの生涯を描き出しており、その内容は単なる伝記書という位置づけではない。今年は彼が没して100年。本書が原作となっている映画『ショコラ 君がいて、僕がいる』が現在公開中。