外仕事でも聴くことのできる女王蜂の鮮烈な輝き

 自身の作品以外でも活躍の場を広げている女王蜂の面々。まずルリちゃんは、おおたえみりの初ミニ・アルバム『ルネッサンス』に収められた“月のレヴェル”において、ドラムスを担当。赤い公園の津野米咲(ギター)、藤本ひかり(ベース)と共にアヴァンギャルドなピアノ・ポップのボトムをしっかりと支え、さらにはMVにも出演している。

 続いては、多方面に作家やヴォーカリストとして参加しているアヴちゃんの外仕事について。初めての外部提供は、〈RPG〉をテーマとするMEGのアルバム『CONTINUE』に収録されたナンバー。楽曲それぞれがストーリーの一場面を担う本作だが、〈戦い〉の場面にあたる“君が為”へ詞を贈っている。そして、アニメ/コミックなどで展開する「美少女戦士セーラームーン」の20周年を記念したトリビュート盤では、後藤まりこ×アヴちゃん名義で“愛の戦士”を勇ましくカヴァー。さらに、シリーズ最新作「美少女戦士セーラームーンCrystal」のキャラソン集では“火の海”の作詞をアヴちゃんが、作/編曲を女王蜂が手掛け、オリエンタルな歌謡ロックでクール・ビューティーなセーラーマーズ=火野レイを表現している。

 また、韓国の6人組グループ、超新星のラップ・チームから成るFunky Galaxyのデビュー作に招かれたアヴちゃんは、リード・トラック“ジーザス”の作詞/作曲にクレジット。星野純一がエレガントなアップに仕立てた同曲において、グァンス、ゴニル、ジヒョクの相手役としてガーリーな歌唱も披露している。そしてデビューと言えば、AeLLとしての活動を経てソロ・アーティストとして歩み出した篠崎愛のファースト・シングル“A-G-A-I-N”に“微熱案内人”を提供。この曲は彼女の初アルバム『EAT 'EM AND SMILE』にも別ヴァージョンでエントリーされ、ここでは和テイストの切ないバラードを聴くことができる。 *土田真弓