4枚目のアルバムが到着。デビュー当初は比喩表現を巧みに用いてクリスピーにラップするフロウでラップ・シーンを騒がせ、前作ではウルトラ・キャッチーなシングルなども飛び出したビッグ・ショーンだが、今回は〈一人の男が自分の人生を振り返り、そして新たな人生をもう一度歩む〉という複雑なコンセプトの下でアルバムを作り上げるというチャレンジに挑んでいる。もちろん、ストーリーに沿った内容でありつつも、単曲でのハイライトは多い。“No Favors”は同郷のエミネムを招き、お互いの並外れたラップ・スキルを見せつけ合うという好戦的な一曲だし、シングル・カットされた“Bounce Back”も、思わず探りたくなるトリック満載のスリリングな一曲だ。コラボ・アルバムも好調だったジェネイ・アイコもトゥエンティー88名義で参加し、アルバムに緩急をつける重要な役割を果たしている。ほか、話題のミーゴスやドリーム、そして旬なプロデューサーのメトロ・ブーミンらが参加。