『ゆれる』『ディア・ドクター』の西川美和が直木賞候補になった自身の小説を映画化。バス転落事故で亡くなった妻に対して表向きは哀しみを装ってはいるが涙を流すことができない作家の主人公(本木雅弘)が、同じく遺族である妻の友人の夫(竹原ピストル)やその子供たちと交流する中で、何かを見つけていくという物語。自分大好きで他者と関われない主人公のクズっぷり描写が意地悪に素晴らしいのだが、その厭らしさの本質にあるものに多くの観客が自分を重ねて見てしまうところがミソ。脇に至るまで役者がみな良いが、中でも子役2人が素晴らしい。