COLUMN

ペッテリ・サリオラ『究明』 フィンランド発ギタリスト、超絶テクと多彩な音楽性で静と動が織り成す夢弦世界を表現した新作

静と動が織り成す夢弦世界を表現する、圧巻のアコースティック・ギター

PETTERI SARIOLA 究明 SEVEN SEAS/キング(2017)

 北欧フィンランド出身の超絶アコースティック・ギタリスト、ペッテリ・サリオラが約3年半ぶりとなるアルバムを発表。前作『直感(Through The Eyrs Of Others)』がカヴァー・アルバムだったので、オリジナル・アルバムとしては3作目となる。これら3枚のオリジナル・アルバムは「生」「人生」をテーマとする三部作構成となっており、構想期間を含めて10年以上の歳月をかけた彼の音楽世界は今作にてついに完成=結実する。

 フィンガー・スタイルをベースにスラップの進化系とも捉えられる独自のパーカッシヴな演奏スタイル “スラム奏法” を駆使したギター・サウンドは、彼と交流のある日本を代表するアコースティック・ギタリスト、押尾コータローも絶賛。マイケル・ヘッジスからの強い影響下にありながら、クラシック、ジャズ、スパニッシュ、カントリー、さらに強烈なタッピング、繊細なハーモニクスなどあらゆるギター奏法のエッセンスを取り込んだ、驚異的なハイブリッド・フィンガー・ピッキングを聴かせる。また、11曲中5曲で威力を発揮しているヴォーカルも彼の強力な武器の一つで、アルバムの世界観を広げている。これが彼を単なる超絶ギタリストとして片付けられない所以である。

 じつはアコースティック・ギタリストというのは彼の一側面で、地元フィンランドではスタジオ・ワーク、他のプロジェクトへの参加、自身のロック・トリオ “デッド・シリウス3000” におけるエレクトリック・ギタリスト/ヴォーカリストなど様々な活動を展開する才能豊かな総合的ミュージシャンだ。圧倒的な超絶テクニックと驚くべき音楽的感性を兼ね備え、北欧らしい透明感を有しながらも情熱的でパワフルな演奏を聴かせるニュー・アルバム。ヴォーカル曲とインスト曲がバランス良く配され、深みを感じさせるアーティスティックな作品に仕上がっている。聴く者の五感全てを刺激する彼の音楽は、明らかにテクニック云々を超越した、その先の次元に存在する。

 2015年のライヴ映像

 


LIVE INFORMATION

『ONE MAN LIVE』
○5/11(木)福岡 Gate’s 7
○5/12(金)大阪 アナザー・ドリーム
○5/16(火)東京・渋谷 WWW

『Saitama-Urawa Guitar Carnival 2017』
○5/14(日)埼玉・浦和 埼玉会館小ホール
出演:山口 洋(HEATWAVE)/矢井田 瞳/ペッテリ・サリオラ/打田 十紀夫/木村 大/榊原 大/窪田 晴男/和泉 聡志/南澤 大介/金 庸太/野辺 シゲカズ
www.mplant.com/
 

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