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VALMARA VALMARA VALMARA FLECHETTES!!
くっついたり離れたり……こうしてメンバーたちは絆を深めていった!

 

★93 アット・ザ・ドライヴ・イン結成

★94 10月、アット・ザ・ドライヴ・インが初のEP『Hell Paso』をリリース

★96 オマーがアット・ザ・ドライヴ・インに加入

AT THE DRIVE-IN Acrobatic Tenement Flipside/Daymare(1996)

ラフな音像がディスコード系のハードコア・パンクを連想させる、記念すべき初のアルバムだ。当時はまだオマーがギターを弾いていないせいか、フリーキーな感じは希薄で、ジムの趣味が前面に出た作品と言えるだろう。エモーショナルな高音ヴォーカルと、つんのめった演奏の魅力をダイレクトに楽しめる。 *粟野

 

AT THE DRIVE-IN In/Casino/Out Fearless(Fearless)

この2作目ではアレックス・ニューポート(メルヴィンズ他)に指揮を委ね、ライヴ録音を敢行。初期衝動と実験精神が良いバランスで保たれ、熱さのなかにもエッジーなクールさを感じる。アジテーションを交えたここでの歌唱が、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンと比較される所以か。 *粟野

 

★98 オマーとセドリックがデ・ファクトを結成

 

AT THE DRIVE-IN Relationship Of Command Grand Royal/Fearless(2000)

物凄い勢いでマグマが吹き出すような冒頭曲を初めて聴いた時の、鳥肌が総立ちする感覚はいまも忘れられない。プログレ寄りの新型ハードコアとでも書けばいいか。だが、ともすればテクに走りそうなところを、キャッチーな歌メロでファンを置いていかな感じがATDIの良さ。ロス・ロビンソンがプロデュースした歴史的傑作だ! *粟野

 

★01 3月、アット・ザ・ドライヴ・インが活動休止
★01 オマーとセドリックがマーズ・ヴォルタを結成

★02 8月、スパルタが『Wiretap Scars』でアルバム・デビュー

 

THE MARS VOLTA De-Loused In The Comatorium Universal(2003)

ATDIのプログレ面をさらに押し広げたセドリックとオマーの再出発盤は、亡き友人に捧げるコンセプト作品。変拍子だらけの性急なリズムから、ラテン音楽由来の哀愁味溢れるギターがふと聴こえてきて涙を誘う。レッチリの面々やリック・ルービンも関与。 *粟野

 

★スパルタの2004年作『Porcelain』(Geffen)

 

THE MARS VOLTA Frances The Mute Universal(2005)

〈バンド仲間の死〉をテーマに5つの組曲から成る約80分の大作。サルサやフリージャズ、西部劇のサントラをゴッタ煮にしたようなこの2作目で、オマーとセドはTMVの土台をガッチリ固める。ヒプノシス製の奇妙なジャケも話題に。 *小泉

 

OMAR RODRIGUEZ Omar Rodriguez Willie Anderson(2005)

〈ジャズ〉をテーマにTMVの仲間やマニー・マークと制作したソロ2作目。タンブーラやシタールを用いながら、キング・クリムゾンの73年作〈太陽と戦慄〉をエキゾに再解釈したふうにも聴こえたり。*小泉

 

★オマーとセドリックが客演したハンサム・ボーイ・モデリング・スクールの2005年作『White People』(Elektra/Atlantic)

 

★05 トニーがジミー・イート・ザ・ワールドにサポート加入

 

THE MARS VOLTA Amputechture Universal(2006)

初めてコンセプトなしで挑んだTMV の3作目。オマーはプロデュースに集中するため、多くのギター・パートをジョン・フルシアンテに任せている。テンポを落とし、ダウナーなサイケ感と語り口調のヴォーカルが妖しさ満点。 *粟野

 

SPARTA Threes Hollywood(2006)

アフロ2人がATDIの実験性を引き継いだのに対し、残りの3人は元来のハードコア路線を真っ直ぐ追求。この3作目を前にポールがTMV入りするという事件もありつつ、キーリー・デイヴィス(元エンジン・ダウンで、昨年ATDIにも加入!)を新たに迎え、叫び声じゃなく歌をきちんと聴かせてエモ化を促進。 *粟野

 

★オマーが客演したレッド・ホット・チリ・ペッパーズの2006年作『Stadium Arcadium』(Warner Bros.)

 

OMAR RODRIGUEZ LOPEZ,LYDIA LUNCH Omar Rodriguez Lopez & Lydia Lunch Willie Anderson(2007)

オマーが当時ハマッていたジャズ・プログレ的な音に、リディア・ランチの猥雑なポエトリー・リーディングを乗せていく濃密なコラボ盤。これと前後して、オマーはダモ鈴木やファウストら憧れの先輩との共演を次々に実現! *小泉

 

OMAR RODRIGUEZ LOPEZ Se Dice Bisonte GSL(2007)

この頃から1年間に複数枚のペースでソロ・アルバムを出していくオマー。その大量のカタログのなかでもファンから特別視されている本盤には、TMV“Goliath”の原型となった曲を収録。一定のリズムとベースラインを繰り返す、レゲエっぽいアプローチがカッコイイ。 *小泉

 

★オマーとセドリックが客演したエル・Pの2007年作『I'll Sleep When You're Dead』(Definitive Jux)

 

★オマー・ロドリゲス・ロペスの2008年作『Old Money』(Stones Throw)

 

THE MARS VOLTA The Bedlam In Goliath Universal(2008)

★オマーのソロ作連続リリースを挿んでの4作目だ。手数の増えたドラミングに煽られ、尋常ならざるテンションでリスナーを圧倒。曲の尺はやや短くなり、アフロ組から距離を置いていたATDI時代の信者たちも徐々に戻ってきた。 *粟野

 

★オマーが客演したエリカ・バドゥの2008年作『New Amerykah Part One: 4th World War』(Motown)

 

★09 マーズ・ヴォルタがグラミー賞にノミネート
★09 セドリックが女優のクリスティーナ・カーネルと結婚

★10 2月、オマーの初監督映画「The Sentimental Engine Slayer」が公開

 

OMAR RODRIGUEZ LOPEZ,JOHN FRUSCIANTE Omar Rodriguez Lopez & John Frusciante Rodriguez Lopez Productions(2010)

互いの作品に行き来しまくってきた2人のタッグ作。ジョンの代名詞である枯れた味わいのギターを、オマーが幻想的なシンセでさりげなく引き立てていて……これだけ息がぴったりだと、セドもジョンに嫉妬したのでは? *小泉

 

★ポールが全面サポートしたハイロ・ダ・ヒーローの2011年作『Birth, School, Work, Death』(Stereo Bang Media)

 

★オマーがプロデュースしたヒメナ・サリナーニャの2011年作『Ximena Sarinana』(Warner Bros.)

 

THE MARS VOLTA Noctourniquet Warner Bros.(2012)

どことなく感傷的な雰囲気の漂うラスト・アルバム。オマーの自由奔放なギター・ソロはほとんどなく、歌メロ重視の短尺な曲が多くを占めている。浮遊感のあるエレクトロニカっぽいオープナーなど、全キャリア中でも異質な一枚。 *小泉

 

★12 アット・ザ・ドライヴ・イン再結成

 

ANYWHERE Anywhere ATP(2012)

オマーの絡まない課外活動にはさほど積極的じゃなかったセドが、TMVの解散直前にマイク・ワット(ミニットメン)らと組んだユニット。良い意味で想像を裏切るセンティメンタルなサイケ・ロックは、たぶんオマーへの当てつけ。 *小泉

 

★13 マーズ・ヴォルタ解散
★13 スパルタ活動休止

 

BOSNIAN RAINBOWS Bosnian Rainbows Sargent House(2013)

セドと袂を分ち、オマーが始めたバンドの初作は驚きのゴシック・パンク風味。フロントに立つテリ嬢(レ・ブッチャレッツ)のキャラを活かし、まるでスージー&ザ・バンシーズみたいだ。この頃からオマーは〈実験〉に飽きはじめ、原点回帰的な動きを見せはじめる。 *粟野

 

ANTEMASQUE Antemasque Nadie/Daymare(2014)

ヨリを戻したセドとオマーだが、TMVを再始動させることはせず、レッチリのフリーと共に新たなプロジェクトを発足。パンクっぽさがしっかり下地にあり、2012年のATDI再結成に刺激されたんだなってことが窺える。やはり2人は一緒にやるべき、と胸を撫で下ろしたファンは多い。 *粟野

 

LE BUTCHERETTES Cry Is For The Flies Nadie/Daymare(2014)

2011年の初作からオマーがプロデュースしていることは有名だが、こちらはメンバーとしてもクレジットされた唯一の作品。ガレージ・パンクな演奏を背に絶叫するテリの姿は、さながら〈女性版のセドリック〉……とか書いたら、セドがヘソを曲げるかな? *小泉

 

★オマーが客演したキンブラの2014年作『The Golden Echo』(Warner Bros.)

 

★16 春、ジムがアット・ザ・ドライヴ・インを脱退
★16 12月、アット・ザ・ドライヴ・インが再結成後初のシングル“Governed By Contagions”を発表

 

GONE IS GONE Echolocation Rise(2016)

ATDIのレコーディングと並行して、トニーはマストドンやクイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジのメンバーから成るこのスーパー・バンドでも活動。ストーナー・ロック色の強いどっしりした音のなかで、トニーのドラムが無尽蔵に大暴れ。 *粟野

 

CRYSTAL FAIRY Crystal Fairy Ipecac/HOSTESS(2017)

オマーを中心にレ・ブッチャレッツとメルヴィンズの面々が集った爆音ユニット。彼がギターではなくベースを弾いているのも初期ATDIを思い出させるし、何より本作で見せたメルヴィンズに対する敬意というか、ハードコア回帰モードが、新生ATDIに与えた影響は絶大なはず!*小泉

 

★17 5月、アット・ザ・ドライヴ・インが17年ぶりの新作『In・ter a・li・a』をリリース