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『太陽』に降り注ぐさまざまな音楽的なエレメンツを勝手に分析!

SPICY CHOCOLATE 渋谷純愛物語3 ユニバーサル(2016)

無骨な男が一途に愛を歌う姿ってキュンとしますよね!? WATARUも『太陽』収録のラヴァーズ・ロック調“Hey Girl”にてその方程式を活用。ありふれた出来事を並べながら、飾らない言葉で思いをぶつける様子は、本作で披露したNATURAL WEAPONとのコンビ・チューン“ともに歩こう”でも確認できます。

 

JOHN CRUZ Acoustic Soul Lilikoi(1997)

かつてサーフィン修行を行ったハワイは、WATARUにとって特別な場所。波の音とスラックキー・ギターで始まる“上を見よう”ほか、新作でもかの地の匂いはそこここに。『太陽』を通じてハワイアンに興味を持った方は、伝統的なスタイルにソウル味をなめし、ジャック・ジョンソンにも大きな閃きを与えた本作も合わせてぜひ!

 

Caravan Wander Around rhythm zone(2006)

弾き語りスタイルで放浪を続けるCaravanがバンド形態で挑んだメジャー進出作にして、和製サーフ・ロックの金字塔的な一枚。感傷的な歌メロを乗せた“My Hometown”でのWATARUには、ブルース/フォークに根差した演奏や、ヒップホップ世代らしい言葉の乗せ方/歌い回しも含め、この先輩との共通点を見つけられます。

 

AVICII Stories PRMD/Universal Sweden/ユニバーサル(2015)

ギターで曲作りを行い、歌に特化したアヴィーチーの2作目。EDM系のクリエイターのなかでも、WATARUの耳に彼の楽曲が引っ掛かったのは深く頷けます。インタヴューで語っている“一番星”はもちろん、哀感のあるアコギのイントロからサビにかけてグッとシンセ・ビートが加速する“海へ”もアヴィーチー度が高め。

 

NICO & VINZ Black Star Elephant Warner Bros./ワーナー(2014)

『おしえて神様』の発表時に、自身の音楽を〈アイランド・ミュージック〉と形容していたWATARU。新作でその路線をわかりやすく発展させているのが“愛してる”です。感動的な歌メロやハイライフとハワイアンを繋げたような終盤のパーカッシヴなアレンジは、こちらの2人組を思い出させるスケールのデカさ。

 

MAKUA ROTHMAN Sound Wave Mountain Apple(2014)

18歳の時にプロ・サーファーとして頂点を極め、ウクレレ片手に作ったこの初作で歌手としての名声も手に入れたマクア。〈ビーチ仕様のマジック!〉とも評される多機能なレゲエ・ポップは、お日様と潮の薫りがプンプン。WATARUと同様に、波乗り特有の開けたナチュラル・ヴァイブを持つシンガーです。

 

MUMFORD & SONS Babel Gentlemen Of The Road/Co-op(2012)

曲タイトルとは裏腹に、アイリッシュ・フィドルから着想を得た賑やかなウワ音と煽るようなリズムが楽しいアンセミックな“I'm Alone”は、マムフォードが提唱した〈新しいフォーク〉と図らずもダイレクトにリンクする出来。一緒に足を踏み鳴らすしかない!

 

MEGAHORN Alongside KSR(2017)

歌詞カードを読まずともスコーンッと耳に飛び込んでくるWATARUの言葉はどれも普段使いのものばかり。そこから滲む人間臭さや感謝の気持ちに、この人の歌世界と近い温かみを感じます。そういえば、MEGARYUとしてデビューした当初は、WATARUも大好きなショーン・ポールとよく声質を比較されていましたっけ。