2度のカヴァー集も滋養となって持ち前のソウル・フィーリングを質の高いオリジナルへと昇華させた前作から3年。70年代の古き良きムードを薫らせたバラッド“Don't Want You Back”を先行曲とするこの6作目でも、レックス・ライダウトを黒幕として、ネオ・ソウルとは異なる直球のソウル作法で我が道を行く。ブルージーなハスキー・ヴォイスで力強く感情を込めていくタフな歌いっぷりは不変ながらわずかに丸みも帯び、デイヴ・ホリスターと掛け合うステッピン・チューン“Good To Love You”も実に軽やか。オージェイズの〈裏切り者のテーマ〉を匂わせる“There 4 U”など懐かしさの成分も含みながら、ジェイラス・モジーらの演奏でバンドっぽくオーガニックに編み上げた楽曲群は過去最高の輝きを見せる。