タラ・ジェイン・オニール初のセルフタイトル作は、マイ・モーニング・ジャケットのジム・ジェイムスや元ディアフーフのクリス・コーエンなど、USインディーの錚々たる面々が客演。魂の底に降りてゆき、そこからの眺めをスケッチしたかのような、静かな哀しさに満ちたアルバムである。透明なまなざしによって紡がれたフォークソングには希望の光が確かに宿っていて、単純な「癒し」を超えた何かが、私たちを柔らかく包み込んでくれるのだ。そのエーテルのきらめきに私は、リンダ・パーハクスの名盤『パラレログラムス』にも似たアンビエンスを思い出した。国内盤には二階堂和美との共作も収録。