バレアリック文脈で人気を博したサンクトペテルブルク・ディスコ・スピン・クラブ名義でも知られるロシアの気鋭、キリル・セルゲーエフの新プロジェクト。1曲目“Ampa (No Drums)”の印象からチルアウト的な展開を見せるのかと思いきや、その後はまったく一筋縄じゃいかない盛りだくさんの仕掛けで音楽旅を愉しませてくれる、目から鱗のオツな作品! モダ~ンで夢見なアトモスフィアに満ちたディープ~テック・ハウスあり、キレのあるドラミングを活かしたポスト・ロックの風格すら漂わせるミッドテンポ・チューンあり、美麗なアルペジオをマッドに崩壊させながら呪術的にトバすアシッド炸裂のトライバル・ディスコありと、鬼気迫る才気を漲らせた圧巻のトラックが並んでおります! 時代の混乱のなかで異種交配を繰り返してきたロシア地下音楽の歪んだ進化の系譜をしかと受け継ぐような、ハイブリッド感たっぷりの音楽性は一聴の価値アリ! 同じヘル・イェー発のテレスパツィオあたりにハマッた人にもオススメです!