COLUMN

「SCOOP!」 福山雅治×二階堂ふみがパパラッチ・コンビ! 大人に〈なってしまった〉中年たちのドラマに胸が熱い大根仁監督作

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  • 2017.05.26
(C)2016映画「SCOOP!」製作委員会

福山雅治初の汚れ役!? 大人になってしまった中年たちの熱いドラマ!!

 まずはオープニングである。野球選手のスクープを狙うパパラッチが、「獲物」を待つ間都内の球場の前でホテトル嬢とカーセックスに励んでいる。このシーン自体は驚くに当たらない。しかし、そのパパラッチがあの福山雅治なのである。掴みはこれでOKだ。

 チャラくて下ネタ言い放題のやさぐれパパラッチ福山雅治と、二階堂ふみ演じる生真面な新人記者がタッグを組まされ、スクープをものにしていくのが話の骨子である。最初はそりの合わなかったが二人が、仕事を通じて次第に心を通わせ、二階堂は記者として一人前になっていく。汚れ役福山の「スター映画」として、はたまた「師弟」もの「バディ」ものとして、日本映画ではしばらく見ることのなかった面白さが充満している。

大根仁,福山雅治 SCOOP! アミューズソフト(2017)

 この映画、実は85年にTV映画として作られた原田眞人の『盗写 1/250秒 OUT OF FOCUS』(TV放映後VHSでリリースされたが現在は廃盤。それ以後ソフト化されていない)のリメイクである。オリジナルを激愛した大根仁が、絶妙のバランス感覚でアレンジし、80年代的な色を残しつつ2016年作品としてアップデートしているのだ。

 勿論、そんなことを知らなくても本作は十二分に楽しめる作品である。何より、大根映画の役者たちはなぜこうも皆素晴らしいのか。福山、二階堂はもとより、シャブ中のリリー・フランキー、編集者で福山の元相棒の吉田羊、吉田と反目する滝藤賢一。登場人物たちの実在感に圧倒される。

 「いつか何者かになれると思ってたんだけど、結局俺にはカメラしかねーんだよな」と映画の福山は呟く。思いとは別に大人に「なってしまった」中年たちのドラマとして、見るものを熱くせずにはいられない。

 衝撃のクライマックスとエンドクレジットの多幸感。このギャップを違和感なく提示する大根仁の手腕ははますます絶好調である。