トニー・マクダーモット画伯の手掛けたジャケに浪漫を感じたなら、まずゲットして損はなし! ルーツ・マヌーヴァやディーマスJとのコラボで名を馳せるプロデューサーのロングトムと、ジャングル~ガラージ・シーンなどで活躍してきたMCデュオのラガ・ツインズによるタッグ盤は、コンピュータライズドされはじめた80年代半ばのダンスホールに直球で挑んだ一枚。〈Sleng Teng〉のリメイクを聴くまでもなく、溢れんばかりのジャミーズ愛を詰めたリディムの上に、識別できないくらいそっくりなユニゾンを自由奔放なフロウでズルズルと乗せていき……といった内容です。そもそもラガ・ツインズはアルバムの尺で作品を出すこと自体がレアなので、長時間2人のDJイングを浴びているだけでも脳がドロドロになりそう。UKクラブ・ミュージックの根っこにレゲエあり!とか考える隙すら与えてくれません。とりわけ、妙にリラックスしたムードで不敵にダイアナ・キングを引用していく“Jugglin'”が危険度No.1!?