キューバ出身の人気ピアニスト、オマール・ソウサの新作は、西アフリカの伝統的民族楽器コラの奏者、セック・ケイタとの双頭リーダー作。アフリカン・パーカッションが一定のリズムを刻み、美しいアンサンブルが繰り広げられる“Dary”から始まり、コラとピアノによる叙情的なデュオ“In The Forest”へと続く。極上の美旋律に加え、時には琴や笙(雅楽などで使われる管楽器)の音色が、幽玄な世界観を投影する。息を呑むほどの幻想的な美しさは、どこか時空を越えた精神世界へと旅立たせてくれるような、荘厳な雰囲気さえ漂う。徐々に躍動感を増していく楽曲の流れも素晴らしい。

 


キューバの至宝ピアニストがセネガルのコラ奏者であるセク・ケイタとコラボしたアルバムだ。ここで我々が耳にするのは言葉少なながらも密な語らい。時として琴や笙(雅楽用の管楽器)といったオリエンタルな〈言語〉を交えながら進んでいく2人の演奏が、微妙な陰影を描き出しており、詫び寂びを感じずにはいられない。デリケートな透明感に彩られた極上のアコースティック・ミュージック。掛け値なしに美しい。