すでに本国では人気バンドとしての地位を確立し、日本でも来日公演などで着実に注目度を高めている韓国の4人組が、ついに初のフル・アルバムを完成させた。リズム&ブルース色の強い初期ロックンロール調の軽快な楽曲から、オ・ヒョクのソウルフルな歌声を活かした感傷的なバラードまでを含む本作は、空間的な音処理が近年の世界的なトレンドともシンクロしつつ、アークティック・モンキーズとSuchmosの中間的な佇まいがさらなるポピュラリティーの獲得を予感させる充実の仕上がり。後者との親和性は特に高いように感じられ、UKロック風のメランコリックな旋律が耳に残る“TOMBOY”や、昂揚感を生むサイケ曲“Wanli”あたりは『THE KIDS』に収録されていてもおかしくなさそうだし、〈We are all alone〉と歌う“Die alone”は直接的にSuchmosの“ARE WE ALONE”を連想させたりも。“Tokyo Inn”“2002WorldCup”など歌詞の真意が気になるタイトルも並び、いよいよ日本でも本格的なブレイクを果たすか。