オーガニックなソウルを歌う鍵盤弾きの女性シンガーによる3年ぶりの新作。エリック・ロバーソンやカーヴィン・ハギンスらとペンを交えてナタリー・コール風や60sモータウン風のポップ・ソウルも披露する本作は過去2作以上に躍動感があり、共演などで人脈を広げたせいか、相方のダナ・ジョンソン以外にゲスト奏者の参加も目立つ。フランク・マッコムのローズにスティーヴ・マッキーのドラムス、キーヨン・ハロルドのトランペットをフィーチャーした“Kiss And Make It Better”の瑞々しいグルーヴは〈ネオ・ソウルの良心〉とも言えそう。バイロン・チェンバースがトークボックスで参戦したゴスペル基盤のスロウ“Heaven Is Right Here”も美味。抑制した歌唱が楽曲のエレガンスを引き立てる快作だ。