ナイジェリア生まれのアトランタ育ち、18歳でミックステープ『Hello World』(2014年)を発表し、名匠マイク・エリゾンドの導きでメジャー進出したダイエ・ジャックは、ジョブズに憧れてプログラミングを学ぶ傍ら、50セントやアウトキャストを好んできたという柔軟な歌い口の持ち主。アリアナ・グランデらとの共演を経て、これがメジャーでの初作だ。そんな前情報がなくとも往年のアンドレ3000やファレルの影響は明白で、モロにネプチューンズな“Finish Line”など2000年代初頭のアーバン最前線で流行った80年代回帰の気風がリリリサイクルされているのも、そんな主役の資質ゆえだろう。ストレンジなエレクトロやディスコ・ラップも楽しく、当然『Purple Rain』との併聴もアリな青春ニューウェイヴ名盤。良い!