第二次世界大戦下、イギリス極秘諜報員の男とレジスタンスの女性が恋に落ち結婚するが、女性の方に「二重スパイ」の疑惑が浮上するというお話。『カサブランカ』オマージュにあふれたサスペンス/ラヴ・ロマンスを、『ザ・ウォーク』のロバート・ゼメキスが監督したところに奇妙ともいえる味わいがある。砂嵐の吹き荒れる中の車中でのラブシーンや、空襲での飛行機落下描写などゼメキスらしい特殊効果も満載だが、素晴らしいのは他の作品では見られないブラット・ピットの“どこか冴えない普通の男”っぷり。応えるマリオン・コティヤールの凛とした美しさ!クライマックスの豪雨の中でのプロペラ音と銃声が耳にこびりついて離れない。