アルバムを揃えても終わらない、ディライト体験のさらなる深み!

 マーキュリー経由でカタログが常に充実しているクール&ザ・ギャングは別格として、今回の復刻シリーズによってディライト産のアルバムはやっと大半がCDで容易に入手できるようになったわけだが、もちろん彼らの宝物庫がこれで掘り尽くされたわけではない。特に60~70年代のディライトにはシングルのみで終わったアクトも数多く、ヴィガーやレッド・コーチなどのサブ・レーベルも含めて膨大な楽曲が残されているのだ。

 で、それらをソウル評論家の鈴木啓志が厳選したコンピこそ、スウィート~モダン・ソウル系の『De-Liteful And Soulful -Mellow Mover』とノーザン系~ディープ・ソウルをまとめた『De-Liteful And Soulful -Deep Mover』の2品。これまでも種々のコンピに入った好事家クラシックもあるが、レーベル括りでここまでまとめられた親切な試みは初だろう。さらに、DJの黒田大介がレアグルーヴ目線で選んだ『kickin presents De-Lite 45s: DJ'S CHOICE 1969-1976』もモダンなブギーやディープ・ファンクの観点から楽しめる一枚。さらにはDJスピナのミックスCDも登場していて、ソウル好きはぜひここまで辿り着いてほしい。 *出嶌孝次