K&Gだけじゃないディライトの名品たち
冒頭からK&Gの“Funky Granny”を鳴らし、その後釜を狙ったNJ産7人組の唯一のアルバム。オリジナルの“Funky Generation”もモロだが、スティーヴィー・ワンダーのカヴァー“Superwoman”やスライっぽい“Everyday People Doing Everyday”など、ヘタウマ歌唱も含めた泥臭い出汁が独自の旨みを出している。ホット・ライン改名後のシングル群もボートラ収録。 *出嶌
配給元を通してディライトと親戚関係にあったブラック・ゴールド発の甘茶ソウル盤。デトロイトのヴォーカル・グループがコティリオンからの初アルバムに続いて出した2作目で、デルフォニックスのような当時のスウィート・ソウルに焦点を定めた内容だ。夢見心地な表題曲を筆頭に、ファルセットと無骨なテナーが絡み合うスロウやミディアムが続く。 *林
サウンド、編成、レーベル、すべてにおいてクール&ザ・ギャングの弟分としか言いようがないバンドのデビュー作。プロデュースを手掛けたロナルド・ベルの弟ケヴィンもメンバーで、序盤の“Get Down”や“Let's Boogie”からクール譲りのパーティー・ファンクをブチかますが、彼らの音はよりストリート色が強く躍動感に富んでいる。ヒップホップの先取り的な印象も。 *林
RCAから登場したNYブルックリンの大所帯バンドによるディライト移籍第1弾。疾走するドラムスにカッティング・ギター、コズミックなシンセ、鮮やかなホーン、弾むエレピが一体となったファンキー・ディスコの表題曲(インスト版)にすべてが集約された代表作で、レーベルの進路を決定づけた一枚でもある。バラード中心の後半は歌ゴコロに溢れる。 *林
濡れ透けTシャツのジャケも麗しい移籍後の2枚目。前作の成功メソッドを踏襲して本格的なブーム到来に対応した目論見は、“Dancin'”のディスコ・ヒットで見事に成果を上げた格好となり、他にも“Searching For Love”や“French Ways”など強力なダンス・トラックがズラリと並んだトータルの集中力も圧巻だ。“Far Out”は21世紀に価値を上げたブギーな一撃。 *出嶌
T・ラ・ロック&ジャジー・ジェイの“It's Yours”などで知られるブレイクビーツ古典の“I Believe In Music”や、マッドリブらが用いた序曲も入ったネタの宝庫として名高いセカンド・アルバム。ただ、トゥモローズ・エディションらの歌唱でスピリチュアルな厚みを増し、コンセプチュアルなアルバム作りに挑んだ作品自体の意欲的な構成もじっくり味わいたいところだ。 *出嶌
この後GQに改名してブレイクするブロンクスの4人組が、ディライト傘下に残した唯一のアルバム。イタロ方面でも愛されたコズミックなインスト“Zone”などリズミックで骨太なディスコ・トラックを主軸に据え、流麗な“Street Dreamin'”やスロウ“You're My Last Girl”も甘い薫りを放つ。今回の復刻ではシングルのみのナンバーや未発表曲なども山盛り追加収録! *出嶌
ドゥワップ出身者で79年にソロ作も放つレイ・ダロージを中心とした5人組ヴォーカル・グループ。スプリングでのシングルを経てヴィガーから出した初のアルバムは、チャーリー・カレロの流麗なストリングスを配し、フィリー・ソウル的な作法も意識した内容に。“Never Get Enough Of Your Love”は後にLTDも歌ったソウルフルなダンサーだ。 *林
合衆国(USA)に〈Unity, Strength, Ambition〉をかけたヴォーカル&インスト・グループ唯一のアルバム。クラウン・ハイツ・アフェアを手掛けたチームの制作で、紅一点となるジャン・ハリソンの女声が妖しく舞う“Shake Your Body”のようなメロウなディスコ・ファンクが登場する。ラテン・ビッグバンド風の“Melodies”が醸し出すナイトクラブ感も粋だ。 *林
出世曲“Dreaming A Dream”のスタイルを踏襲した“Galaxy Of Love”や表題曲でビー・ジーズみたいなファルセット・ヴォイスが飛び出し、映画「サタデー・ナイト・フィーバー」の影響を感じずにはいられない一枚。故デヴィッド・マンキューソが愛したロフト定番のスムース&ダンサブルなファンク・ディスコ“Say A Prayer For Two”の収録でも知られる快作だ。 *林