新日本フィルハーモニー交響楽団
2017/2018シーズン定期演奏会・見どころ聴きどころ

タン・ドゥン

客演の指揮者やソリストにも要注目

 上岡敏之が音楽監督に就任して2年目となる新日本フィル(NJP)の2017/2018シーズン。「上岡流」と「インターナショナルの最高峰」を同時に追求した多彩で充実した公演が多数組まれている。

 3シリーズある定期演奏会は、すみだトリフォニーホールとサントリーホールで計24公演を開催。上岡はこのうち8公演を指揮予定で、ブルックナーの中期の傑作・交響曲第6番の新境地を拓く#587や、上岡流の鮮烈なチャイコフスキー《悲愴》が期待される#13など、楽しみな公演が目白押しだ。

カティア・ブニアティシヴィリ(C)Esther Haase

 また今シーズンは、客演の指揮者やソリストにも要注目。例えば、指揮と作曲の双方で活躍するタン・ドゥンの自作自演プロ#585、古楽の世界的権威・鈴木雅明によるオール・ドイツ・プロ#12、上岡と並ぶブルックナー演奏の大家・シモーネ・ヤングが指揮する《ロマンティック》#16など、聴きどころが満載だ。ソリストも、ハンガリー三羽烏の一人デジュー・ラーンキ(p/#577)、マルタ・アルゲリッチの再来と謳われるカティア・ブニアティシヴィリ(p/#10)、ジャズの大御所・山下洋輔(p/#15)ら、豪華な顔ぶれが並ぶ。

 NJPはこの他にも、横浜みなとみらいホールで特別演奏会「サファイア」を3公演開催し、マーラー&ブルックナーをシリーズ化。さらに2018年3月19日には、すみだトリフォニーホールで、国内初の「上岡敏之ピアノリサイタル」も行われる。

 そして今シーズン何よりも必聴なのが、聴き手のリクエストで演目を決定する#592。上岡&NJPと私たちが一体となって、演奏史の新たな1ページを切り拓こう! 
[text:渡辺謙太郎(音楽ジャーナリスト)]