すでに2枚のソロ・アルバムを出しているラトーヤだが、〈元デスティニーズ・チャイルド〉という紹介が改めて必要になるほど時間が経ってしまった。8年ぶりの新作は恋人のジョー・ブラックが制作のキーマンとなり、細めの声でエモーションを込めていく主役のヴォーカルを多角的に引き出す。ソウルIIソウル“Back To Life”をアンビエント以降のマナーで再構築したような先行曲“B2L”を筆頭に、ディスコ調やトラップ調、レトロなスロウなどのトレンドは標準装備。が、アンドレ・ハリスも制作に絡んだリュダクリス客演のグルーヴィーなアップ“Grey”やウォーリン・キャンベル制作の美麗なスロウ“In The Name”のような90年代R&Bマナーの曲で声に艶を増すあたりは彼女の原点をふたたび思い起こさせる。快作。