オリジナル・シューゲイザー世代による2017年春夏シーズンのリリース・ラッシュ。締めを飾るのはライドの復活アルバムだ! 96年の解散前夜に披露していたローリング・ストーンズやバーズ的なサウンドの続きを描くのではなく、タイトル曲からして初作『Nowhere』を踏襲した激しいフィードバック・ノイズ合戦の様相で、〈ジザメリやスロウダイヴと口裏を合わせたんじゃ?〉と思えるほどタイミングばっちりの内容。アンビエントな“Integration Tape”をはじめ、昨今のフォロワーに歩み寄る場面も用意しつつ、マーク・ガードナーとアンディ・ベルの美しいハーモニーが飛び出した瞬間、聴き手を即〈あの頃〉へタイムスリップさせてしまう力量には感服する以外ない。そのあたりはプロデュースを手掛けたエロール・アルカンの、尋常ならざるライド愛の賜物でもあるだろう。いまのところはこれで大々満足。で、ぜひ次は『Carnival Of Light』の続編を……なんて言ったら欲張りかしら?