ナイアと読むLAの女性シンガーがアルバム・デビュー。全面プロデュースを担当したのはロビン・ハンニバルだが、彼がライやクアドロンで台頭するのと同時期にはすでに彼女のデビュー曲“Made For You”(2013年)も手掛けていたわけで、これは互いにとって満を持してのリリースだろう。初期の曲はノワールな退廃美を帯びていたが、このアルバムではスタイリッシュで艶やかなポップ・ナンバーを基調とし、そこにロビンらしいシャーデー愛がふんだんにまぶされている。その歌声は整った顔立ちとスレンダーな体躯の印象通りにクールかつコケティッシュで、格別のエレガンス漂うミディアム“Hurt You First”をはじめ、洒落たムードに気持ちよく浸っていたら深みから抜け出せなくなる……かもしれない魔性のオンナ。