バレアリック・レジェンドとして名高いホセ・パディーヤの15年ぶりとなる作品や自身のソロ作も含め、ウルグアイからイビザに拠点を移してからも好リリースを続けるインターナショナル・フィール主宰のマーク・バロット。そのマークと、フランクフルトのタフ・シティ・キッズから成るトリオがこのタラマンカ・システムだ。2枚の12インチ・シングルでの好感触を受け、フル・サイズのアルバム制作へと発展したというここでのサウンドは、爽やかなシンセ・サウンドを基調とした現行バレアリック最前線。冒頭を飾るピアノ・ハウス・チューン“Transatlantique”に顕著な初期ハウスやイタロ・ディスコへの志向性はディミトリ・フロム・パリが手掛けたエロディスコティークにも通じるもので実にグルーヴィー。後半にはチルアウトなムードを含んだダウンテンポが顔を揃え、シンセのレイヤーが織り重なるアンビエント曲“Aurorca”で心地良さの極みへ。これからの季節にはもう最高の一枚だろう。