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『黄道十二宮』のロマンティックな煌めきと輝きを作り上げた多彩なクリエイターたち

 1曲目の“Unstable Girl”を託されたのは杉真理。以前の“雨の中のドリーマー”(2014年)や今作収録の“いつか Friend Again”などに表れてきた星野のナイアガラ愛が、トライアングルの一角とのコラボレーションでついに結実しました。“鏡の中の私”は、作詞が清浦夏実、作曲が沖井礼二――TWEEDEESの2人による曲で、〈沖井節〉とも呼ばれるスリリングなリズム・アレンジもあって、今作にもっとも新しい風を送り込んだ一曲だと言えるでしょう。一方、“ONE-TIME LOVE”の詞曲は辻林美穂。年下の彼女から星野が女の何たるかを教わった感ありありの、大人っぽいナンバーに。

 また、先行シングル“流れ星ランデブー”のカップリングにも収録されていた“境界線上の2人”には、かせきさいだぁがラップで参加し、ドラム・プログラミングとミックスでTSUTCHIE(SHAKKAZOMBIE)も制作に関与。ユーミンを彷彿とさせるアーバンな逸品“気がつけばLooking for your love”は、2人組ポップス・ユニットのブルー・ペパーズの作曲で、2人の素敵なコーラスも聴けます。そして、星野いわく「ズッズッズッズッっていう音が鳴ってる近未来感のある曲」というハウシーなナンバー“亜熱帯都市”は、あらかじめ決められた恋人たちへの池永正二がアレンジしたもの。

 さらに、お馴染みの佐藤清喜(microstar)も、ライト・メロウな“風を吹かせて”、ブロウ・モンキーズへの大胆なオマージュで始まる“週一ロマンス”など大半のアレンジを手掛けていたり、昨年末のシングル“素敵に X'mas Night”に続いてアレンジャーとして参加したゲイリー芦屋は、スウィンギーなビッグ・バンド風ナンバー“流れ星ランデブー”でアルバムのエンディングを華々しく盛り立てています。