「グランド・オペラ」とは19世紀フランスで上演された大規模の編成と豪華な舞台設定による華やかなオペラのことを指すそうです。その時代の代表的な作曲家、マイアベーアのアリアを名花ダムラウが歌います。この作曲家だけでアルバムを作ることは長年の夢だったそうで、並々ならぬ意欲を感じさせます。ソプラノのアリアは「ディノーラ」の“影の歌”が際立って有名な印象がありましたが、収められた曲は他もいずれも情緒あふれ、華やかな存在感のあるものばかり。ダムラウは瑞々しい美声と共にコロラトゥーラの技術もますます冴え、艶やかさも増し素晴らしく、過ぎ去ったオペラの一時代へ誘ってくれます。