INTERVIEW

PassCode『ZENITH』 変幻自在の爆音と咆哮を轟かせながら〈頂点〉へと駆け上がる、攻めの姿勢を貫いたメジャー初アルバム

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  • 2017.08.02
今田夢菜

変幻自在の爆音と咆哮を轟かせながらアンリミテッドな4人は頂点へと駆け上がる。攻めの姿勢を貫いた『ZENITH』は、またも過去のPassCodeを超えていく!!!!

 昨年のメジャー・デビューからPassCodeの勢いが止まりません。大阪を拠点とする4人組で、ラウド・ロックを基盤にした多展開な楽曲のヤバさやシャウトも交えたエッジーで力強いパフォーマンスが……と説明を重ねるまでもなく、その魅力は着実に認知を広げてきました。今年に入ってからは、3月に初の海外遠征となる台湾で〈Megaport Festival〉出演と単独公演を敢行、4月にFear, and Loathing in Las Vegas主催の〈MEGA VEGAS 2017〉出演という大抜擢で注目を増し、メジャーで2枚目のシングル“bite the bullet”を発表……それと並行してすっかり板に付いたバンド・セットでのツアーを行いつつ、〈JOIN ALIVE〉といった大型フェスにも進出するなど、磨き上げてきたパフォーマンスの凄みもいよいよボーダレスに浸透している模様です。そんな暑い夏を待つかのように完成されたのが、メジャー初のアルバム(通算3作目)となる『ZENITH』。鉄壁のチームで作り上げられた圧巻の出来を聴く限り、彼女たちが守りに入るつもりはまるでなさそうで……。

PassCode ZENITH ユニバーサル(2017)

 

負ける気がしてない

――最近はバンド・セット中心にいろんなところに出られていて、〈MEGA VEGAS〉以降はバンドとの対バンの機会もさらに増えたように思いますし、〈JOIN ALIVE〉や、その後の〈SUMMER SONIC〉みたいなフェスもあって、いままで以上にいろんなお客さんの前でパフォーマンスすることが増えてきてると思います。前に〈どこに出てもアウェイ〉って仰ってましたが、最近はいかがですか?

今田夢菜「そういう大っきいフェスとかではPassCodeのことを知らない人のほうがまだまだ多いけど、PassCodeはアウェイの時こそ強くなるから、いっつも〈負けんぞ〉っていう気持ちでやってますね(笑)」

大上陽奈子「最近はライヴでもいろんなバンドさんのTシャツ着てラバーバンドとか付けてる人がいるし、〈あの時の対バンで初めて観て来たよ〉っていう方が多くて。何か、そういう対バンきっかけで来てくれてる人が増えてんのかな?って感じます」

南菜生「どんな会場でもやることは変わらないので、いままでやってきたことに自信があるし、去年の〈MISS UNLIMITED Tour〉をバンドと回ったことによって、バンド・セットでのPassCodeにも自信が出て。気にしてないって言ったらおかしいですけど、全然〈知ってもらうだけやな〉って思ってて、夢菜が言ったように〈負けんぞ〉って気持ちもあるけど、負ける気もしてないというか(笑)、自信があります、PassCodeに」

――もう〈アイドルだから/アイドルなのに〉っていう段階でもない。

「そういうイヴェントに出た時に、前までは浮いてる気がして悩んだりもしたんですけど、いまは〈どう思われてても大丈夫〉って思ってて、それはホントにPassCodeに対してみんな自信が出てきたからというか。どう捉えられても良いものを観せればいいっていう方向に変わってきて、そこらへんのこだわりがなくなってきたのも、強みかなって思ってます」

大上「〈MEGA VEGAS〉でも初めてPassCodeを観る人が多かったと思うんですけど、終盤とか凄い笑顔でノッてくれてて、〈あ、けっこう巻き込めてるんちゃう?〉って思いながら楽しくやれました(笑)」

「やっぱり〈MEGA VEGAS〉観て好きになったって人が凄く多いし、実際に観てなくても、その時の評判を聞いてバンド好きな方たちにも名前を知ってもらえはじめたのかなって。私たちを呼んでくださったFear, and Loathing in Las Vegasさんの心意気が凄くカッコ良くて、まだやりはじめたばかりのグループを、そうやってポンッと呼んでくださるのって、ホントに凄いことだなって思ってます」

――その意味では、逆にいろんな対バンの人を招いている現在の〈"bite the bullet" Short Tour〉もそういうことですよね?

「そうですね。先日のLIQUIDROOMではホントにジャンルが全然違うMOROHAさんとSIX LOUNGEさんをお招きしたんですけど、ステージを観せてもらって、アウェイを自分たちのホームにする力というか、〈アウェイでもカッコ良くいられることこそホントにカッコ良いんだな〉ってつくづく思い知らされて。自分たちもそうありたいというか……どんな場でもカッコイイって思わせたら勝ちやな!って」

今田「LIQUIDROOMは自分たちの出番でステージ出て顔上げた瞬間に、もう会場がめっちゃイイ雰囲気で、温かくて。めっちゃビックリしたよな? 何かいつもと違う……って言ったらアカンか(笑)」

「会場が温まってて、初っ端から飛ばせるような雰囲気が出来上がってて」

今田「凄い幸せな気持ちで楽しいライヴができて、めっちゃ良かったです。だから、自分たちが呼ばれた時もそういう空間を作っていきたいなってめっちゃ思いました」

――とにかくアウェイ上等ってことですね。

「そうですね、燃える!」

大上陽奈子

全曲で攻めてる

――で、忙しい合間を縫って凄まじいアルバムが完成されました。

今田「はい。『ZENITH』って〈頂点〉とか〈てっぺん〉みたいな意味なんですけど、その通り、どの曲を聴いてもいままでよりクォリティーが上がったって感じて。勝負をかけていけるかなって思います」

――強いアルバムですよね。

「強いと思います、ホントに(笑)。前作の『VIRTUAL』はオモチャ箱みたいな感じでいろんなタイプの曲がギュッと入ったアルバムだったんですけど、『ZENITH』はどの曲でもリード曲にできるような攻めのアルバムになってて、ホントに〈頂点を獲る〉っていう作曲の平地(孝次:サウンド・プロデューサー)さんの意気込みがビシビシ伝わってくる」

大上「最初に曲をもらった時も歌詞をもらった時も、すべてに衝撃があって。で、曲とかも聴いてて〈あ、ここでこうくる?〉とか、歌詞も攻めてるし。メジャー最初の“MISS UNLIMITED”の時も、次の“bite the bullet”の時も毎回〈攻めてる〉って言ってたんですけど、今回はまたそれを超えた攻めというか、超えてきてるって感じがしてて、早くみんなにも聴いてほしいです」

高嶋楓「レコーディングは5月の末ぐらいに終わったんですけど、〈これやで〉みたいな感じで音源を送ってもらったらホンマに音とかちょっとずつ変わっていたり、最初に聴かせてもらった段階からアレンジがめっちゃ加わってたり、〈お、めっちゃ気合い入れてもらってる!〉って思って。聴くだけでもカッコイイし、ライヴのバンド・セットでも映えそうな曲ばっかりですね。リード曲の“ONE STEP BEYOND”をLIQUIDROOMで初披露したんですけど、その前にラジオで初公開させてもらってて、〈ラジオで聴いた時もイイって思ったけど、ライヴでやったほうがライヴ映えして凄いカッコイイね〉ってお客さんにも言われました」

――LIQUIDROOMでもみんなすぐリアクションしてたというか、良い反応でした。

高嶋「はい、他にもそういう曲ばっかりやから、凄いライヴでやるのが楽しみです」

今田「絶対盛り上がるな」

――どこを切ってもOKという感じのアルバムですけど、それぞれ特にオススメしたい曲はどれでしょう?

今田「今田は“Scarlet night”と“Insanity”が好きです。とにかく英語でテンポも速いんですけど、メロディーがめっちゃ好きで、とにかく盛り上がれる2曲かなって思ってて、早くライヴでもやりたいです」

――“Scarlet night”はパーティーっぽくて最高ですね。

今田「(筆者の手元を見て)チャラい系って書いてある(笑)」

「メモが見えて〈チャラい系〉って書いてあるから何かな?って思ったら、やっぱり“Scarlet night”やった(笑)」

今田「一番に目が行ったな(笑)」

大上「でも、前半は〈手懐けた男たちはペット同然〉みたいな遊んでる女の人みたいな感じで、テンポも速くて〈夜を待ってますよ〉みたいな曲だけど、後半で〈本当は解放されたい〉みたいな歌詞になってメロディーラインもめっちゃエモくなるのが凄い好きです」

――この展開も凄いし、大人の曲ですね。

大上「大人の曲です」

「チャラい曲です(笑)」

――(笑)。菜生さんはどうですか?

「リード曲の“ONE STEP BEYOND”が好きで、いつもはユニゾンでサビを歌うことが多いんですけど、これは2回あるサビを前後半で分けて1人ずつで歌ってて、1番のサビを前半が南/後半が大上。2番のサビを前半が高嶋/後半が今田っていう感じで割ってるんですけど、そこが4人の個性が出てておもしろくて。歌い方も感情の込め方もそれぞれ違うし、ユニゾンとはまた違う聴こえ方がイイんです。何も考えずに自分の限界のところまでパッとトップで出せる歌で、歌ってても凄く楽しいし、聴いててもカッコイイなって思って好きです」

高嶋「この曲のAメロの入りの私と南の掛け合いが、口が追いつかなさすぎて一度テンポを落として録ったんですよ。でも、それをテンポを戻したら何か自分の歌が気持ち悪くなっちゃって、だから、がんばって唇プルプルしながら(笑)ずっとレコーディングして、そこが難しかったです」

「難しかったな」

大上「“ONE STEP BEYOND”では2サビの後に南と大上で〈Right now!!〉って歌うんですけど、そこがPassCodeの曲の中でいちばん音程が高いらしくて、平地さんが曲作る前に鍵盤でピーピーピーって鳴らしてる動画を送ってきて、〈ここの音出る?〉って(笑)。PassCodeの曲ってけっこう音が高いし、いままでのも、まあまあ踏ん張って歌ってるんですけど、〈それより高いん?〉って。でも、平地さんが使いたいなら入れたほうが絶対良くなるから、〈たぶんイケます〉って返したら、それが〈Right now!!〉で入って。で、南も(笑)」

「そう、何も訊かれずに巻き込まれたんですよ。菜生も訊いてほしかった(笑)」

高嶋楓

――(笑)。高嶋さんはどうですか?

高嶋「私は“all or nothing”が好きです。ギャンブルに掛けて人生を歌ってるみたいな感じで、歌詞も好きで、早くライヴで披露したいです」

「ワクワクするな、これ」

高嶋「ワクワクする」

大上「そして大上は1曲目の“Maze of mind”が好きなんですけど、まずAメロの今田の〈全てが単純なら 良いと思える 非常な現状〉っていうところが、まあ、たまにちょっとナイーヴな気持ちの時とかに凄い共感できるんですよ。もういろいろ単純なら良いのに!って、たぶんみんなそう思う時があると思うんで、共感してもらえる内容だなと思って。あと、Dメロで静かになるところから〈We're going there now〉ってラスサビに向かう時の、入りのアレンジが1番とちょっと違って、こう、ガッと気持ちが入るリズムになってて、そこは聴いてて勢いが出るところです」

「試聴する人ってやっぱ1曲目を1回聴いてみようって感じじゃないですか? その1曲目が“Maze of mind”っていうのが凄い意味があると思ってて、勢いもそうだし、聴きやすいって言ったらおかしいですけど、〈PassCodeらしさ〉のうち、最初に聴いて〈あれ、良いんじゃない!?〉って思ってもらえるような部分がある曲だと思ってて、最初っから最後までノンストップな勢いのあるカッコイイ曲になってると思います」

 

一段階上がった

――〈PassCodeらしさ〉といえば、夢菜さんのシャウト/スクリームもそのひとつですが、今回もヴァリエーションがあってホントめちゃくちゃ大変そうで。

今田「最近のレコーディング、わりかし泣きながらやってます(笑)。何回やっても上手く当てはまらんというか、噛んでしまうというか、英語の発音もあるし。今回は“Maze of mind”の〈Bro〉って部分が自分でなかなか納得いかなかったり……音源ではめっちゃカッコ良く仕上げてもらってるんですけど、けっこう苦労してがんばって録りました。何か月か前から低い感じのシャウトが出しやすくなったというか、何か自分の中で低いほうがカッコイイと思えて、もっといろんなシャウトの出し方をしたいと思ってます」

大上「大上は“rise in revolt”のシャウトがめっちゃかっこいいって思うんですよ」

今田「やろ?」

大上「早いし、今回は全体的にシャウトのパートが多いし、長いし、1つのパートとしてシャウトが活かされてる」

高嶋「完成版を聴いても、何かシャウトの圧が凄くて、また凶暴になってるな~と思いました(笑)」

――言葉数も多くなってますよね。

「叫ぶだけじゃなくって、英語でみっちし歌詞が入ってて、意味もあって、普通の歌のようにシャウトが入ってますよね」

今田「けっこう初めての感じやから、ライヴでも勢い良くがんばりたいです」

――はい。他にも3拍子が入ってくるもう1つのリード曲“Same to you”があったり、新曲だけでかなり盛りだくさんですけど、ここに“カタルシス”(シングル“bite the bullet”のカップリング)が入ってくるのがめちゃくちゃエモい効果があります。

「うん、めっちゃ好きなんですよ。みんな大好きで、大切にしてる曲でもあります。歌詞がやっぱり良くて、メロディーもそうなんですけど、“Same to you”の後にくるっていう曲順もミソなのかなって」

高嶋「これもLIQUIDで初披露だったんですけど、お客さんが泣いてくれてて」

今田「めっちゃ泣いてた」

「私、歌ってても泣きそうになるもん」

大上「初披露の時は、イントロ始まって、あ、ヤバイと思って。〈エモっ!〉と思って」

今田「自分は緊張してそれどころじゃなかった(笑)」

「さっきの“ONE STEP BEYOND”と同じで、これもサビを1人ずつ歌うっていう新しい試みの曲で、感情の出し方がホントにさまざまで、そういうところにも改めて注目してほしいですね。挑戦って言ったら大袈裟ですけど、PassCodeの新しい魅力になっていくものかなって思います。最後の“Voice”もちょっと変わったことをしていて、サビを2人ずつで歌って、AメロとBメロは1人ずつ歌ってるんですけど。私が歌う2番のBメロだけちょっとだけメロディーが変わるのが凄い好きで。凄い切なくなるし、聴いてて、サビの上がり方とかも胸がキューッてなるから、最後この曲聴いてキュッてなったらまた1曲目に戻ってってしたくなるような曲になってます」

大上「凄いラストって感じがする、シメの曲みたいな」

「ライヴでもめっちゃ最後に演りたいよね? もう、〈この曲はここでやりたい〉とかがあって。“ONE STEP BEYOND”は1曲目に持ってきたいとか、そうやってライヴの流れを組み立てられるような曲が揃っているし、そういう意味でも凄く良いアルバムになったなと思います」

南菜生

――はい。そんな『ZENITH』を引っ提げて全国13か所を回る〈PassCode ZENITH TOUR 2017〉が11月から始まります。

「メジャーになってからの曲って、やっぱライヴに向けて考えてもらってるし、そういう曲たちが詰まってることで一段階上がったライヴを観せることができるんじゃないかなっていうツアーですね。振り入れがまだ終わっていない曲もあるので、ツアーに向けてだんだんアルバムの全曲を披露していける感じになるのかな。11月なのでまだ先ですけど(笑)」

今田「でも、いっつも〈まだまだ先やん〉って言ってたら、気付いたら始まって、気付いたら終わってる(笑)。毎回それを繰り返してるから、今回も楽しみやんな」

大上「早くしたい」

――早くライヴで聴きたいですよ。あと、今回は土日とか祝日とか、わりと良い日が多いのもいいですね。

「そうなんです。金沢とか熊本とか初めて行ける場所も多いし、いまからワクワクしてますね。小さいハコも多いんですけど、そういう時こそホントに熱くてヤバイ日になると思うんで、ぜひ遊びに来てほしいです。夏にフェスとか対バンで力を付けて、良い状態でツアーが開始できるっていうのはホントに幸せなことなので、ワンマンでもガッツリ勝ちにいくライヴをしていきたいと思います」

PassCodeのアルバム。

 

PassCodeの近作シングル。

 

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