甘味と苦味を持ったヴォーカルが非常に魅力的。〈男性版ラナ・デル・レイ〉とも評されてきた引き込む力のある歌が、インディーR&Bっぽくたゆたうサウンドと合わさり、聴く者の感情を激しく揺さぶりかける。2013年と2015年のEPで米メディアから注目を集めた、シアトルの自作自演シンガーによる初のアルバム。深い悲しみを知りながら、それでも輝こうとする、言わば祈りのような歌詞と歌唱が感動的な珠玉の作品だ。