いづみさとー(ヴォーカル/ギター)と田中ひろゆき(ギター/コーラス)の2人によって2015年に結成され、mona主催のオーディションなどで賞を勝ち取ったバンドによる初の全国流通盤。ここに収められているのは、やるせなく、時にネガティヴな恋愛にまつわる感情を、オルタナティヴなギター・ロックに託した5曲だ。彼らのストーリーテリングはバンド名やタイトルの通りにド直球で、ある意味では身も蓋もないが、その生々しい言葉たちがダイナミックなメロディーや天性のブルースを帯びたヴォーカルと密接に結び付くことによって、聴き手の胸を瞬時に射抜くマジックを生み出している。確かなサポート陣を迎えたアンサンブルは練り込まれているし、サッドコアな“あなたには関係ない”のようなアプローチも見せてはいるものの、本作はどこまでもシンプルなロックンロール作品と言っていい。しかし、シンプルな(そして非凡な)ロックンロールでしか表現し得ない普遍的なポップネスをごく自然に体現している。