夏に聴く、ナツ・サマー

 昨年の夏にクニモンド瀧口(流線形)のプロデュースによるEP『夏・NATSU・夏』でデビューを果たし、その冗談みたいな名前もあって注目を集めたナツ・サマー。まるで架空のプロジェクトのようながら、愛媛生まれで東京に住まう実在の女性シンガーです。幼い頃からシティー・ポップやレゲエを聴いて育ち、サーフィンを嗜みながら音楽と自然を愛するナチュラルな個性を育んできたそうで、〈シティー・ポップ・レゲエ〉というコンセプトにも頷けるものがあります。

ナツ・サマー 『Hello, future day』 Pヴァイン(2017)

 その後は不敵にも真冬にEP『Tropical Winter』を発表し、今年に入ってからは限定7インチ“恋のタイミング”も評判になるなか、このたびのファースト・フル・アルバム『Hello, future day』がついに届けられました。引き続きクニモンド瀧口が全面プロデュースを手掛けていて、従来のスウィートなラヴァーズはもちろん、アーバンなブギーなどにも取り組んでコンセプトをさらに拡大。季節限定では終わらない……というか、どの季節に聴いたとしても陽光の降り注ぐ気持ち良さを体感させてくれて、まるで疑似リゾート体験できるようないい感じの作品になっていますよ! 一十三十一が好きな人にはぜひオススメです。