デビュー作に冠した〈トラップ・ソウル〉という言葉をR&Bのトレンドとして定着させた気鋭による1年半ぶりの2作目。T・マイナスが手掛けた“Somethin Tells Me”を先行曲とする本作でも、SWV“Rain”を引用した序曲を筆頭に、チェンジング・フェイセズやフェイス・エヴァンスなどの90年代R&Bを中心としたサンプリングとトラップ系ビートを組み合わせ、ドレイク的な歌とラップを行き来する甘いヴォーカルを気怠げに放っていく。が、制作陣は、ほぼ同郷のネスを中心に、ボーイ・ワンダやワンダガールらを迎えて大幅に変えており、スロウが中心だった前作よりアップ・ビートの曲が増加。“Run Me Dry”など、DJキャレドの最新ヒットでリアーナと絡む姿が目に浮かぶような新機軸も用意した意欲作だ。