INTERVIEW

長嶺ルーシー『ウチナー・ラヴソング』 6人の女性唄者がうたうそれぞれのラヴソング

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  • 2017.08.24
長嶺ルーシー『ウチナー・ラヴソング』 6人の女性唄者がうたうそれぞれのラヴソング

6人の女性唄者がうたうそれぞれのラヴソング

 沖縄民謡界で活躍する6人の女性唄者たちが六者六様の恋の歌を歌うアルバムがリリースされた。題して『ウチナー・ラヴソング』。長嶺ルーシー、石川陽子、堀内加奈子、山城香、新垣恵、MINAという6人のバックボーンは多種多様。石川と新垣は沖縄育ちだが、山城は大阪生まれ、堀内は北海道出身。長嶺ルーシーはペルー生まれの日系三世、MINAはスイスと日本人のハーフでロンドン在住である。バックボーンが異なるがゆえに、ここで歌われる恋の風景も多種多様。それがそのまま本作の魅力に繋がっている。

長嶺ルーシー,石川陽子 ,堀内加奈子,山城香,新垣恵,MINA ウチナー・ラヴソング RESPECT RECORD(2017)

 選曲とディレクションを手がけたのは大城志津子の右腕的存在であるベテラン、喜久山節子。彼女のことを「私にとっては親みたいな存在」と話す長嶺ルーシーは、今回のレコーディングについてこう続ける。

 「喜久山先生には、歌の節回しについて細かくディレクションしていただきました。民謡らしさを追求するには節回しが大切。歌謡曲の場合はメロディをなぞっていくものだけど、民謡はメロディに対して少し低いところから入っていく。そういうところから“民謡らしさ”が生まれてくるんだと思います」

 ルーシーが今回取り組んだのは3曲。大城美佐子のデビュー曲《片想い》。北谷出身の伝説の女性、北谷真牛の名を歌詞に織り込んだ古典《百名節》。そして、ルーシーも初めて歌ったという《夜啼き鳥》。「美佐子先生は簡単に歌っていらっしゃいますけど、実際に歌ってみると、メロディの上下が大きくてものすごく難しかった」という《片想い》をはじめ、いずれも歌に対する深い理解と確かな表現力が求められる難曲ばかり。だが、ルーシーの丁寧な歌唱には、沖縄民謡ならではの味わいがしっかりと滲む。

 「沖縄の人たちはペルー人のように自分の感情をストレートには出さないんですね。相手のことを思って、自分の感情をぐっと抑える。ペルーの人たちはどんどん自分のことをアピールしていくんですよ(笑)。両国のラヴソングにもそういう違いは出てると思いますね」

 沖縄のラヴソングに刻み込まれているのは、いわば待ち続ける恋の形である。そんな秘めた感情を爆発するかのように、Disc2には6人全員による遊び歌《ナークニー~カイサレー》が収録されている。

 「円になってお互いの顔を見ながら録音したんですが、こういうレコーディングは私も初めてでした(笑)。すごく楽しかったですよ」

 なお、ライナーノーツには標準語による対訳と詳細な解説(執筆は小浜司)も掲載。数百年前の沖縄の恋愛模様が、現代に生きる私たちのそれとさほど変わらなかったことにも気づかされる。


LIVE INFORMATION

『ウチナー・ラヴソング』アルバムリリース記念コンサート
○8/27(日)17:30開演
会場:東京 代官山UNIT
出演:長嶺ルーシー、石川陽子、堀内加奈子、山城香、新垣恵、MINA
伴奏:西俣尚子(島太鼓、ハヤシ)、安慶名久美子(琉球箏曲)
琉球舞踏:阿波連本流啓扇明峯の会、阿波連とも子琉舞研究所
オープニングDJ:フジカワ PAPA Q
www.respect-record.co.jp/uchina/

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