左から、Hikaru ARATA(ds) / Kento NAGATSUKA(vo) / Kan INOUE(b) / Ayatake EZAKI(key)

新作2枚を同時発売! ポップなWONK、エクスペリメンタルなWONK、ライヴも期待高まります!

 グローバルなマーケットで勝負できる、世界水準のブラック・ミュージック。東京の4人組エクスペリメンタル・ソウル・バンド、WONKのデビュー作『Sphere』を一聴した際の印象はそれに尽きる。具体的には、ディアンジェロ『ヴードゥー』によって用意され、ロバート・グラスパー・エクスペリメント『ブラック・レディオ』で表面化し、フライング・ロータス『ユー・アー・デッド!』やケンドリック・ラマー『トゥ・ピンプ・ア・バタフライ』によって拡張された路線の音楽を、彼らは背伸びすることなくやってのけていたのだ。『Sphere』はCDショップ賞のジャズ賞に選出され、WONKとしてホセ・ジェイムズのリミックスを手掛けるなど活躍が続いたが、なんと続く新作は2枚同時発売となる。

WONK Castor epistroph(2017)

 英語詞によるヴォーカルがキャッチーなメロディを歌い上げる『Castor』は、彼らのポップ・サイドを照射するものと言っていいだろう。練られたアレンジには一分の隙もなく、官能的でハスキーな歌声に思わず痺れる。スモーキーなサウンド・プロダクションは不穏な空気を醸し出すが、聴き終えたあとは心地よい清涼感が残る。

 

WONK Pollux epistroph(2017)

 一方、『Pollux』は彼らのエクスペリメンタル・サイドに焦点を当てたつくり。RITTO(MC)、Epic(MC)、Miki Hirose(tp)の他、NYの気鋭のソウル・バンド、ザ・ラブ・エクスペリメントのキム・メイヨー(vo)を迎え、ヒップホップとWONKの相性の良さを浮きぼりにしている。こちらは彼らのビート・メイキングのセンスの良さが前面に出ており、J・ディラ以降の訛ったビートを生で再現する、という結成当時からのコンセプトがより鮮明に出ている印象だ。

 サマーソニックや東京JAZZ、BlueNote JAZZ FESTIVAL in JAPANへの出演も決定している彼ら。そのフィジカルなグルーヴでフェスでも多くの観客を巻き込むことだろう。2枚のアルバムの音像がどのような形でライヴで披露されるのか、今から楽しみでならない。


LIVE INFORMATION

○8/27 (日)shima fes SETOUCHI 2017
○9/1 (金)東京ジャズ2017
○9/3 (日)25th Sunset Live 2017 -Love&Unity-
○9/23 (土・祝)Blue Note Jazz Festival in Japan
○10/7 (土)熊本NAVARO
○10/8 (日)福岡ROOMS
○10/27 (金)Blillboard大阪
○11/11 (土)渋谷WWWX