名立たる名盤で演奏してきたサックス奏者のトレヴァー・ローレンスを父に持ち……というか、いまでは本人がアリシア・キーズやケンドリック・ラマー、ブルーノ・マーズ、エド・シーランらの名立たる名盤に参加してきた名ドラマーである。ドクター・ドレーのループ参謀としても名を馳せた敏腕が送る初めてのリーダー・アルバムは、テラス・マーティンやカマシ・ワシントン、ニコラス・ペイトン、ニコ・シーガル、モーリス・ブラウンら多方面で人気の大物たちを適材適所で配したファンキーで楽しいソウル・ジャズ~ジャズ・ファンク作品となった。のっけから畳み掛ける“Car Vibe”で技巧を見せつけつつ、全体的にはケネス・クラウチ(キーボード)やマーロン・ウィリアムズ(ギター)ら馴染みのプレイヤーに守られた、ウェストコースト産らしいソウルフルな聴き心地に仕上がっている。父親やマイク・エリゾンド、さらにはインプロンプ2時代に共演していたジョニー・ブリットなど、歴史を感じさせるゲストとの絡みもあり。