今ブラジルで最も注目を集めるレーベルとなりつつある〈SESC SAO PAULO〉からのリリース。多作なアンドレ・メマーリの、女性ヴォーカルとスルド(サンバの低音を担うパーカッション)奏者を迎えて伝統的なサンバに取り組んだ作品。パウロ・ダ・ポルテーラ、カルトーラ、ノエル・ホーザといったサンバの古典カバーから、ルピシニオ・ホドリゲスへのオマージュなどを収録。伝統に根ざしながらも現代的。メマーリの躍動的でスリリングなピアノと他の2人の王道的な演奏の対比、そしてメマーリによる楽曲への独自解釈が、ブラジル音楽の古典であるサンバを実に新鮮に聴かせてくれる。