ブラック・コミュニティーから絶大な支持を集めるUKの白人シンガーが3年半ぶりに放つ2作目。ジル・スコットと共演した切なくも美しいバラード“Until The Pain Is Gone”を先行曲とする今回もハイトーンの美声にエモーションを込めて歌うスタイルに変わりはない。が、メジャーを離れたせいか、音楽的な自由度は前作以上。ダニエル・エイジド(インク・ノー・ワールド)の制作となるアンビエントなスロウ、アンドレ・ハリスが関与したレトロなバラード、xSDTRKによるUKガラージ路線など実に多彩で、スウィンドルと組んだプリンス的なシンセ・ファンク“Sympathy”も含め、主役のマックスウェルに対する憧憬もちらつく。ステレオタイプス制作の“On Fire”やキーヨン・ハロルドのホーンが鳴るジョン・ジョン(・トラックス)との共同制作“Slow Burn”といったファンキーなアップも快演。ハーヴィ・メイソンJrが往年のアンダードックズ作法で仕上げた美スロウ“Second To None”にR&Bの良心を感じる一枚でもある。