大友良英

今年も開催! 大友良英と一緒に楽しもう ~みんなで作る参加型音楽フェス!

 夏フェスに多くの人が足を運ぶ季節になったが、大友良英が芸術監督を務める〈アンサンブルズ東京〉はいわゆるロック・フェスとはまったく趣を異にする音楽祭典だ。客席から一方的にステージを仰ぎ見るフェスとは違い、アンサンブルズ東京はアーティストが一般参加者とともに創り上げるもの。事前にワークショップを行い、当日その成果を発表する。発表、といってもかしこまったものではない。参加者の楽器経験は不問だし、文字通り老若男女が分け隔てなく参加する。ライヴを観ていて自分も何かやってみたい、と思った人も、バンドを組まずとも音遊びに参加できる。そんな場と言えるだろう。

 観客とステージの垣根はあるようでほとんどない、というのは、YouTubeにアップされている去年の動画を見てもらえれば分かるはずだ。今年の会場は東京タワー。一般参加者とプロジェクトFUKUSHIMA!が作った大風呂敷で会場が装飾されるという。入場料は無料。敷居が低く誰もが輪に加わることができる、そんな理念を持ったフェスと言えるだろう。

 
左から、芳垣安洋とOrquesta Nudge! Nudge!、UA

 
左から、稲葉俊郎、坂本美雨とCANTUS

 参加アーティストは大友良英スペシャルビッグバンド、芳垣安洋とOrquesta Nudge! Nudge!、UA×稲葉俊郎、坂本美雨とCANTUSといった面々。ワークショップは2000円~2500円で参加でき(学生割引あり、UA×稲葉俊郎以外は未就学児無料)、アーティストから直接指導を受けることができる。UA×稲葉俊郎は「声をだす、声をきく」と題したボイス・ワークショップを行う。科学や心理学や伝統医療に造詣の深い稲葉がどのようにかかわるか楽しみだ。芳垣安洋は自ら率いるグループOrquesta Nudge! Nudge!で、打楽器はもちろん、音の出るものならなんでも持ち寄ってグルーヴの波を生み出そう、という試みに挑戦する。坂本美雨と聖歌隊CANTUSの太田美帆は「声を楽器にしてみよう!」「みんなで響きを合わせるとこんなに楽しい!」をテーマにしたワークショップとパフォーマンスを行う。そして、大友良英スペシャル・ビッグ・バンドは、うまい・へた、できる・できないの区別なしに音を鳴らす大人数での演奏を披露する。

 こちらから一方的にあちらを“鑑賞”するフェスやライヴもいいが、こちらからあちらへと飛び込んで一体感を味わえるこんなフェスは貴重だ。日常と音楽が限りなく同義であり、プリミティヴな表現衝動で横溢する空間に身を浸してみてはいかがだろうか。

2016年度アンサンブルズ東京の模様

 


LIVE INFORMATION

大友良英監修の参加型音楽祭典 アンサンブルズ東京
○10/15(日) 14:30~
会場:東京タワー正面玄関前エリア、南側駐車場など 参加無料
出演:UA + 稲葉俊郎、大友良英スペシャルビッグバンド、坂本美雨とCANTUS、芳垣安洋とOrquesta Nudge! Nudge

○9/16(土)~10/14(土)の期間で各種ワークショップも実施。
詳細はウェブサイト参照。www.ensembles.tokyo