運命ってこういうことかもしれない
――はい、そんな“これって恋だと思うんだ”メインのほうが〈少女ver.〉ということで。そして〈大人ver.〉のメインが“輝る風の中の全て”。こちらはK&Mミュージックの小林清美先生の曲で。
麻友「はい、小林先生」
美音「きよきよは前からChelipのライヴも観てくださってて、〈私はアイドルっていうより、2人をアーティストとして凄い好きだよ〉って言っていただけたりして。だから、いろいろあった時も凄い親身になってくださったし、〈私で良ければ曲も書くからね!〉って話をずっとしてくださってて。やっぱり、きよきよの書く曲が凄い好きだから」
麻友「だね!」
美音「〈普通に歌えたら嬉しいね〉って話をしてたので、〈じゃあ、このタイミングでお願いをしよう〉っていう話になって、で、本格的なバラードってChelipの曲にはないから、バラードを歌うなら、きよきよにお願いしたいっていうのはもう決めてて」
麻友「きよきよはバラードが得意だからね」
美音「それでお願いをしたら、凄い良い曲をいただいて。もう、仮歌の時点からめっちゃ巧いから」
麻友「最強だったね〜。〈これ、きよきよの曲じゃね?〉って感じだった、うん」
美音「ビビッた。で、いままでは自分たちで何とか練習をしてレコーディングするって感じだったんですけど、この曲は練習も見ていただいたので」
麻友「きよきよにね」
美音「そう、だから、歌うのは難しい曲ですけど、レコーディングとしては歌いやすかったというか、こうニュアンスがね」
――メチャメチャ良いですよね。バラード=大人っぽいっていう先入観はありますけど、こちらのほうが逆にピュアな感じというか。
美音「まっすぐですよね」
麻友「うんうん」
美音「年齢的にもたぶんちょうど良い時期というか」
麻友「確かに」
――ストレートな良さがありますよね。あんまり幼くてもハマらないと思いますし。
美音「そうですね。小っちゃい子たちが歌えないってわけじゃないけど、Chelipも年齢をここまで重ねたから歌えるというか、詞世界に入れるっていうのはあると思うので、どっちの曲も、いまのChelipにちょうどいい、自然にハマる曲です。自分で歌ってて泣きたくなります(笑)」
麻友「スゲエな、感情移入するな、お前」
美音「移入するわ」
麻友「麻友はないな、まだだな。ちょっと細かめの踊りがあって難しいから」
美音「そう、振付けを元キャラメル☆リボンの吉仲葵ちゃんに付けてもらったんですけど、まだちょっとガチガチで(笑)」
麻友「そうそう」
美音「っていうのもあって。いままでのChelipの5年間が詰まった感じのシングルですね。作家さんたちの出会いもだし、ここまで導いてくれたファンの方たちもだし、葵ちゃんみたいなアイドルさんとの出会いもだし。それこそ素人同然だった踊りとか歌も、まあ、ちょっとずつですけど、やってきたぶんは成長してるので、いまできる一番のことができてるかなって思います。アイドル好きじゃない方にもぜひ聴いていただきたいですし、聴いていただいたら実際、そういうのを抜きにしてイイ曲だと思うんで」
――そうですよね。それこそNegiccoさんとかと同じように、いろんな人が聴ける雰囲気で。で、この素晴らしいシングルが出た8月23日で活動5周年ということで、6年目からChelipはどうしていきましょう?
麻友「わ~、そんな質問されるんだ」
美音「地元での認知度がもっと上がればいいなって思いますね。いま、地元サッカー・チームのガイナーレ鳥取の応援もしていて、そこをきっかけに〈Chelipって2人、凄い良いね〉って言っていただけるので、やっぱり地方でやっている者としては、地元の方に応援していただけるのが嬉しいことなので。例えばNegiccoさんの新潟の方に愛されてる感じって、いいなって思いますし」
――はい。
美音「逆に、地元で定期公演をやると半分以上の方は県外から来ていただけたりしていて、Chelipを観に鳥取に来るうちに、ゴハンが美味しいとか、観光もしたいっていう方とかが多くなってて、そうやって鳥取を好きになるきっかけにChelipがなれれば嬉しいなって思いますし」
――それはいいですね。
美音「5年やってて応援してくださってる方とかも凄い増えてきて、で、やっぱり、何て言うん? 続けるためには、ちょっとずつですけど、結果も残していかないといけないなって思うので、だから、自分たちのためにもですけど、その応援してくださってる方が、〈Chelip応援して良かったな〉って思っていただけるような、道のりを歩んでいきたいですね」
麻友「うんうん」
美音「うんうんじゃないよ(笑)」
麻友「うん、これ真面目な話、できん(笑)。まあ、これからも流れるままにですよ。もちろん、やりたいと言って誰もができるわけじゃないことだからね」
美音「ふいにいいこと言うな(笑)」
麻友「いいこと言った?」
――〈誰もができるわけじゃない〉っていうのは、ホントにそうですね。
麻友「うん」
美音「やっぱり活動できるっていうのは凄い恵まれてるなって思います。やっぱChelip、鳥取だからできないってことがいっぱいあったんですよ、インストアのイヴェントとかもあたりまえじゃないっていうのを凄い知ってるから」
――鳥取にはタワーレコードもないですし……。
美音「だからそのぶん県外に出て、できることが増えて、だから全部大切さがわかるというか、ちゃんとやろうって思うし。どうせやるならみんながハッピーになるようにしたい。お店の人もお客さんが来てくれて嬉しいなってハッピーだし、Chelipもちょっとでも多くの方が観てくれたらハッピーだし、人がいっぱいいるライヴのほうが盛り上がるから、お客さんも観てて楽しいし、っていうので、みんながハッピーなのがいいなっていうのがありますね」
麻友「それな!」
美音「だから、いまは何をやっても全部ありがたいし、楽しいし。自分たちもいろいろと大変だなって思ったこともあるけど、それより、みんなで何かを成し遂げた達成感とかのほうが大きいから続けていられるし。これからも何か大きいことが決まったりとかしたら、そのたびにみんなで喜んで。時間かかるかもしれないけど、これからも何かみんなでできるんじゃないかって思ってます」
麻友「ね!」
――ありがとうございました。しかし、話されているのを見てると、コンビのバランスが良いんですね。“アシンメトリー”というか、アンバランスなのかもわからないですけど(笑)。
麻友「うん、アンバランスがちょうど良いかもしれない」
美音「両方が美音みたいだったらめっちゃ息苦しいし、どっちも麻友だったら話にならない(笑)」
麻友「何も成り立たん。何も成り立たんよ」
美音「だから、偶然そんな2人が鳥取にいて、年齢も違うのに同期で会って、何か凄いって思う。気持ち悪いですけど、〈運命ってこういうことかもしれない〉って思いますもん。なあ、これ嬉しい? これ嬉しい?」
麻友「うるさいわ、そんなこと言うか、君は(笑)。うるさいわ」
美音「麻友、美音のことたぶんめっちゃ好きですよ。麻友の生誕をやった時に美音がいきものがかりさんの“ありがとう”を歌ったんですけど、イントロ流れただけで、麻友がもう泣き出して」
麻友「そこが初めてやけん。なあ、絶対泣かん人だったのに」
美音「昔から感情が表に出なくて、写真撮る時に〈笑って〉とか言われても笑えんかったのにな」
麻友「何も笑えんもん」
美音「たぶん人間的にも豊かになってきてるというか、成長したな」
麻友「お前、5年でそれかよ」
美音「5年で人間らしくなった(笑)」