2014年の活動再開以来、ステージでは何度となく合流してきた彼らが、9月の武道館ライヴを前に、実に14年ぶりのオリジナル・アルバムを発表。結成20周年の節目ということを抜きにしても多くのトラックに漂う感傷的なムードは、彼らがグループの一側面として持ち続けてきたもの。その意味で本作は、エヴァーグリーンなKICK THE CAN CREW像を新旧のリスナーが隔てなく楽しめる一枚とも言えるだろう。堂々たるトラックに〈まだまだやり尽くした感ゼロ〉と3人が変わらぬマイクをぶつけた先行カット“千%”は、〈お帰りなさい〉の一言がやっぱり相応しい曲。〈思い出話は大人の特権〉というLITTLEのラインに歩みが重なる“また波を見てる”も、流麗なトラックと相まった佳曲だ。