指揮活動を精力的にこなし、中でもリュリ作品に意欲的に取り組んでいるルセ。今回は晩年の傑作「アルミード」。2015年のパリでのライヴ。手兵レ・タラン・リリクは小気味良いまでの疾走感が心地良い。そして若手も含め実力派が揃った歌手陣も素晴らしい。タイトルロールを歌うマリー=アデリーヌ・アンリは、包み込むような豊かな美声で、最後のアリアまでほぼ出ずっぱりのように場面が多い力強い孤高のヒロイン役を見事に表現しています。ライヴならではの緊迫感と質の高い演奏の充実度がしっかりと共存しています。聴き手はわくわくするような生き生きとしたこの演奏を堪能されることでしょう。