所属レーベルの元親分にして専任プロデューサーだったDrルークとの訴訟はいまだにもつれたままだけど、やっと活動を再開。〈KE$HA〉から〈KESHA〉へと改名し、5年ぶりに彼女が帰ってきた。諸々の人生ドラマも反映したこの3作目は、ハード・ロックあり、サイケあり、カントリーあり、ソウルありのゴッタ煮盤。裏方にはマックルモアとの活動でもお馴染みのライアン・ルイス、トゥエンティ・ワン・パイロッツを手掛けるリッキー・リード、ブルーノ・マーズ仕事で注目されたブロディ・ブラウンら、初顔合わせのクリエイターを積極的に起用。そしてイーグルス・オブ・デス・メタルからダップ・キングスのホーン隊、さらにはドリー・パートンまでをゲストに招いている。さまざまなヴェクトルが飛び交うなか、シリアスなメッセージも混ぜつつ、どこを取ってもケシャらしい人懐っこい歌が満載。〈パーティー女子〉というイメージに縛られなくなったぶん、いっそう奔放。何でもアリな自由を手に入れた、という印象だ。