KANDYTOWNやYENTOWNら、クルー単位での動きも活発化している昨今の日本のヒップホップ・シーンにおいても、特に圧倒的なモブ感~スクワッド感の強さで名を上げてきた川崎のクルー、BAD HOP。待ち望まれていたこの初オフィシャル作品では、アトランタ産のトラップやシカゴ産のドリル/バップといったUSシーンにインスパイアされ、最先端のトレンドを巧みに注入するというサウンドやスタイルの持ち味をこれまで同様に発揮し、YZERRを中心とするMC陣がマイクを回して次々と登場。思わず口ずさんでしまうキャッチーなフックを備えたライヴで盛り上がりそうな曲が並ぶ。ボースティングだけでなく、タイトル曲に集約されているようなフッドや仲間、成り上がりなど、代表曲の“Life Style”(本作には未収録)にも通じるモブなライフスタイルをテーマに綴られたド直球でギラついたリリックはエモさに満ち溢れており、Tiji JojoやVingoらラッパー個々のキャラ立ちにも注目すべきだ。