UKから素晴らしい新人の登場だ。活動を始めて3年ほどだというルビー・フランシスは、自身で制作も手掛けるヴォーカリスト。これはSoundCloudで公開済みの楽曲や配信EPの音源も含む処女作で、時にアブストラクトにも振れる展開は〈フューチャー・ソウル〉と括られる面々に通じる現代的な刺激を有するものの、歌い口には往年のUKソウルを思わせる瑞々しい輪郭が備わっているのが好ましい。と思ったら後見人は90年代UKソウル界のVIPたるD・インフルエンスのクワメ・クワテンで、彼の息子が在籍するブルー・ラブ・ビーツや、ジェス・グリン~テイニー・テンパーを手掛けるシフト・キー(チャス・ジャンケルの息子)といった気鋭が援護している。昨年のネイオに続くフレッシュな好盤と言えそうだ。