Cutemen
踊り倒したい人は急げ! ユーモラスな視点の極上エレポップ盤+α

 昨年に約23年ぶりの新作『Humanity』をリリースし、結成25周年イヤーに堂々の復活を遂げたCutemen。そこからわずか9か月で早くもニュー・アルバム『Exhibition Of Love & Desire』を完成させたのだから、再結成にかけるCMJK(コンポーザー)とPicorin(ヴォーカル)の熱意は相当なものなのだろう。

Cutemen Exhibition Of Love & Desire ビクター(2017)

 前作ではディストピアな未来を意識したうえでの普遍的な(人類)愛が描かれていたが、今作ではもっと身近な〈愛と欲望〉がテーマに。焼き肉の素晴らしさを世界に向けて発信するハード・テクノ“M.O.T.S.U”、殿下テイストの80sファンクに肉欲的な言葉を乗せた“Cucumber”など、誰もが抱きそうな欲望を彼ららしいユニークな視点とエレポップ趣味によって形にしている。ド直球のエレクトロ・ファンク“It's Not Love”やディープ・ハウス風の“Heat Of Love”など黒いノリの楽曲が多い一方で、ビーチ・ボーイズ“Good Vibrations”の原曲に忠実なカヴァーもあり、某学苑っぽい(?)謎コラージュ感のあるジャケットも含め、サイケなカラフルさが独特の味を生んでいる作品だ。

 なお、初回限定盤には前作収録曲のリミックス集『ReHumanity』が付属。ゴツいテクノでアシッド仕様にした石野卓球、ストイックなテック・ハウスが激クールな福富幸宏、ジューク/フットワーク系のリズムで攻めるMOP of HEAD、ジャングルで熱狂させつつ最後は自分で歌い出すHONDALADYなど、CMJK本人を含む全10組が参加している。踊り倒したい人は急いでチェックを!

『Exhibition Of Love & Desire』に参加したアーティストの作品を一部紹介。