部室に置かれたキャンパス・ノートを覗き見しちゃいましょう!

BAKER-GURVITZ ARMY BAKER-GURVITZ ARMY Vertigo/BELLE ANTIQUE/MARQUEE(1974)

 さっそくですが、最近入手したお宝CDを紹介しましょう。今回は我輩の趣味全開ですので、ご了承ください。まずは、元ガンのガーヴィッツ兄弟とジンジャー・ベイカーの3人で構成されたベイカー・ガーヴィッツ・アーミー。74年のデビュー作『Baker-Gurvitz Army』(Vertigo/BELLE ANTIQUE/MARQUEE)が紙ジャケ+SHM-CD化ですぞ! 兄弟の豊潤でエモーショナルなギター&ベースと、ベイカーのやたらと自己主張の強いドカドカしたドラムスが、噛み合っているんだか、いないんだか微妙なバランスを保ちながら、実に英国ハード・ロックらしい陰影のある音世界を作り出しておりますな。そこはかとなく漂うB級テイストもオツです。

 

ZODIAC Cosmic Sounds Elektra(1967)

 お次はシンセ音楽ファンであれば馴染みの2人――モート・ガーソンとポール・ビーヴァーを中心とするプロジェクト、ゾディアックが67年に発表した唯一作『Cosmic Sounds』(Elektra)。〈十二星座〉をコンセプトにした奇天烈なサイケ・ビート企画盤として、モンド/エキゾ筋から評価の高い一枚ですぞ。驚くべきはハル・ブレインらレッキング・クルーの面々がバッキングを務めていることと、朗読でモダン・フォーク・クァルテットのサイラス・ファーヤーが全面参加していること。雰囲気は胡散臭いものの、プロダクションはしっかり緻密に構築された逸品であります。

 

GERMAN OAK Down In The Bunker Bunker/Now Again(1972)

 続いてのジャーマン・オークによる72年作『Down In The Bunker』(Bunker/Now Again)もサイケな一枚。こちらは相当なマニアでもノーチェックだったであろうクラウトロックの激レアな発掘盤で、防空壕の中で録音されたという、気の滅入るほどダークで取りとめのないサイケデリック・ジャムが、脳内を激しく麻痺させること確実です。いかにも当時のドイツらしい混沌さが我輩好みですぞ。

 

THE WIND IN THE WILLOWS The Wind In The Willows Capitol/Big Pink/ヴィヴィド(1968)

 さて、最後くらいは爽やかな作品を推しておきましょうか。NYの男女混声グループ、ウィンド・イン・ザ・ウィロウズが放った68年の唯一作『The Wind In The Willows』(Capitol/Big Pink/ヴィヴィド)です。バロック調やジャグ・バンド風も交えたヒッピー・テイスト満点のフラワー・ポップは、ママス&パパスを少しだけサイケにしたような趣。デボラ・ハリーが在籍していたことで知られていますが、ブロンディ的なサウンドを期待するとズッコケますのでご注意を。 *戸部小伝太