ジョージ・A・ロメロに続き、トビー・フーパーもあちらの世界に逝かれてしまった。フーパーは「悪魔のいけにえ」だけの映画作家ではない、とはあらためて断っておかなければならない。フーパーのもうひとつの最高傑作「スポンティニアス・コンバッション」に続く95年の本作は、スティーヴン・キングの原作をフーパー流に改編したこれまた見事な傑作である。ランドリー工場のプレス機が暴走し人を殺すというホラーだが、ロバート・イングランドの怪演(義眼、義足、歩行器のフェティシズム!)を堪能しつつ、残酷な世界があるのではなく、世界が残酷であることを一貫して提示し続けたフーパーの偉大さをこれからも語り続けなければならない。