J-POPの良心たち(?)が贈る奇跡の一夜

スターダスト☆レビュー、杉山清貴、KAN、馬場俊英。それぞれが唯一無二な世界観を築きあげたサウンドメイカーだが、その四組が一堂に会すとなにが起こるのか。想像しただけで顔がにやけてしまうJ-POPリスナーも多いはず。全員が一家言を持つ芸達者なだけでなく、一癖も二癖もあるキャラクターだけに、それが融合されたときの相乗効果は計り知れない。

 

J-POP全盛といわれる1990年代に頭角を現した四組となれば、自ずと周年を祝うタイミングも重なってくる。スターダスト☆レビューのデビュー35周年、杉山清貴のソロデビュー30周年、馬場俊英のデビュー20周年、KANの芸能生活29周年を記念した〈4者合同周年記念ライブというのも突拍子もないし、お一方は素数年を周年としているので足並みが揃っていないけれど、そこは気にしないのが粋というもので。

 

アーティスト名をそれぞれの頭文字を並べてSSKB ALL STARSと銘打って公演が行われたのは、2016年も年の瀬が迫った12月21日。それこそクリスマスが最も似合う横浜・山下公園に隣接する神奈川県ホールというシチュエーションも憎いくらい。開演は馬場俊英の“ボーイズ・オン・ザ・ラン”でスタートダッシュを。のっけからのクライマックスで外の寒さを忘れるようにヒートアップするオーディエンス、そしてステージ。立て続けて“さよならのオーシャン”“夢伝説”“すべての悲しみにさよならするために”とそれぞれの持ち歌を披露したところで、満を持して“靱のハミング”を。

 

そもそもこのメンバーが集まったきっかけは大阪のFM COCOLOのプログラムから生まれた靱(うつぼ)公園で開催されている野外イベント〈風のハミング〉。2011年から現在まで続いているこのイベントのテーマ曲“靱のハミング”はKANの筆によるナンバーだが、オーディエンスにハミングしてもらうために作ったというだけに、会場全体で早くも盛り上がりは最高潮。そこからはまさにヒット・パレード。もちろんシーズン的に杉山清貴の“最後のHoly Night”は外せないし、季節はずれの“ふたりの夏物語-NEVER ENDING SUMMER-”さえも繰り出す始末。鉄板の“スタートライン~新しい風”や“木蘭の涙”、ここぞとばかりの“愛は勝つ”。そして少しだけ早いクリスマス・プレゼントのような奇跡の一夜を惜しむように“今夜だけきっと“で大団円を迎えるまでの全てが、待望のパッケージに。

笑って、歌って、なぜだかホロリとするステージを大切な誰かとなんども観たい一枚となった。

 

SSKB ALL STARS 『SSKB ALL STARS Anniversary Live【百十四の執念】』のリリースを記念して、タワーレコードではフリーマガジン〈tower+〉の臨時増刊号〈別冊tower+〉を発行! ライヴの写真をふんだんに掲載した特別な冊子に仕上がっています。別冊tower+は、タワーレコード全店で10月24日(火)夕方ごろより配布いたします!
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