本作がモナ=飛鳥・オットにとってデビューアルバムとなる訳だか、その類いまれな才能から奏でられる演奏の凄味は日本、そして世界で既に知れ渡っている。姉であるアリス=紗良・オットの存在も大きいかもしれない。しかし、今回の録音を聴いて感じとれるように姉とは異なった女流ピアニストの誕生と位置付けても過言ではない。シューベルトの1曲1曲は、実に抒情的で奥深い響き。一方でラストを飾るリストのタランテッラはリズム感抜群で力強く、テクニックが一層際立っている。これがデビュー盤というのだから、次作のリリースを早々と期待するのは私だけではないはず…。