「これを聴いた時にお客さんはどういうふうに身体を動かすかな、っていうのを想像しながらとか、そういうイメージで曲を作ってるところがありますね」(コヤマ)

 出来上がっていたバンドのイメージから脱却し、今やりたいと思ってることをもっと自由に――確かめ合うまでもなく3人のなかに芽生えていた意識のもと、バンド名をCIVILIANへと改めて再始動したのが去年の夏。その秋にはシングル『愛/憎』でメジャー・デビューを果たし、順調に歩を進めてきた彼ら。

 「前の名前でやっていた時は、ライヴを観に来たお客さんとコミュニケーションをとったり、コール&レスポンスのようなことも一切やって来なかったんです。当時はそれが自分たちらしいと思ってやってたんですけど、お客さんが増えて、フォロワーがたくさんいるっていう現状にちゃんと目を向けたほうがいいんじゃないかと。そう思うようになってから、以前の楽曲で試みたりはしたんですけど、やっぱり楽曲の空気に引きずられて内省的なライヴになってしまう。曲がそういう機能を持っていなかったんですね。でも今はようやくそういう空気を作れる楽曲が揃ってきたところで」(コヤマヒデカズ、Vo./Gt.)

 

 〈そういう空気を作れる曲〉ということでは、ニュー・シングル『赫色 -akairo-』は、まさにな楽曲だ。イントロから助走なしで加速するビート、エモーショナルなメロディー、魂を全力で放出する歌――ライヴ・パフォーマンスを目の当たりにすれば、そのパッションを受け止めようと思わず彼らに手を差し伸べてしまうことだろう。

 「以前は、お客さんとのコミュニケーション能力に長けたバンドとかって苦手だったんです。そういうバンドと対バンするたびに〈絶対ぶっ潰してやる!〉みたいな感じだったんですね(笑)。なので、CIVILIANではいままでの意識と反対のことをやればいいんだなって思って、もっとリズムを強調させたりとか、いわゆるこれを聴いた時にお客さんはどういうふうに身体を動かすかなっていうのを想像しながらとか、そういうイメージで曲を作ってるところがありますね。バンドとしてもこういう曲が無理なく生み出せてるというか、そのへんはこの一年でいちばんまとまって来た部分だと思うので、次に控えているアルバムも楽しみにしてほしいです」(コヤマ)